気張らずに楽しむ程度の心持ちが旧車を長く楽しむコツ!
選ぶ際は、素性だけでなく、納車整備をどこまでやってくれるのかをしっかりと確認しておく。とにかくあらゆるところがダメになっているという意識をもって、選んだりチェックするぐらいがよく、よくある「こんなもんですよ」を鵜呑みにしてはダメ。「古いクルマだって、現役時代はフツーに乗れて、ロングドライブなどにも行っていた」わけで、「当時からこんなものではなかった」というのは頭に入れておいてほしいポイントだ。
「旧車はセカンドカーや足グルマがないときついですか?」とも聞かれることがあるが、クーラーが付いていなくて猛暑がきついとか、2シーターで家族全員が乗れないなどというのは別にして、「このクルマだって、当時はみんなファーストカー」なわけで、調子さえ良ければ1台だけで問題ない。
実際、ワタクシは通勤に使っていたこともあるし、1970年ぐらいのリアル旧車でもきちんとしたものならば「車検では手を入れてやるけど、それ以外ではノートラブル」という例は珍しくない。見た目だけきれいで、程度はよくないクルマだと、年中入庫していて、走るよりもリフトの上のほうが長いということになってしまう。
そういう意味では、やはり最初のメンテや整備状態が重要で、購入時にどれくらい初期化ができるかがカギ。買ってからおいおい手を入れていけばいいや、というと結局手は入れないし、調子も完調にはならない。そうなれば所有するのも苦になるだけで、クルマにとってもかわいそう。「少々高くても最初にきちんとやってあるものを買う」。これが長く楽しむ秘訣だ。
とはいえ、あまり気張るのもダメ。「メンテをしっかりとしても古いクルマだから、壊れるときは壊れる。壊れたら直せばいい。その分、他人とは違うクルマに乗れるんだし」と広い気持ちをもち、そして気軽に構えるのも大切だ。
「一生大切にして、絶対に手放しません」と言う人にけっこう会ってきたが、そういう人に限ってほぼ確実に手放してしまう。「まぁ、なにがあるかわからないけど、ボチボチ乗ってみますよ」くらいのほうが長続きするように思う。「好きよ好きよ、大好きよ」と言っていたのに限ってしばらくしたらあっさり別れる夫婦みたいなものか。いいものを選んで気張らずに楽しむ程度が長く楽しむコツと言っていい。