トップスピードが高くスリリング!
インディ500でおなじみのオープンホイールレース「インディカー・シリーズ」を筆頭に、抜群の人気を誇るストックカーレース「ナスカー」など、オーバルコースの印象が強いアメリカンレース。実際にはインディカー・シリーズは、オーバルコースに加えて、ロードコースや市街地コースでもレースが行われているのだが、やはり、伝統の一戦、インディ500のように、オーバルコースでのレースが人気は高い。ナスカーにいたっては、ほとんどのレースがオーバルコースを舞台に開催されているのだが、楕円形のオーバルコースを舞台に開催されるアメリカンレースはどこが面白いのか?
まず、オーバルコースでのレースシーンにおいて、もっとも魅力的なポイントと言えるのが臨場感だと言えるだろう。ロードコース、たとえば日本で言えば、鈴鹿サーキットや富士スピードウェイでレースを観戦する場合、一度に走行シーンが楽しめるコーナーは1カ所か2カ所に限られており、見えないコーナーに関してはサーキットビジョンをチェックすることになるが、オーバルコースならコース全体をチェック可能である。
そのため、サーキットビジョンに頼ることなく、「○号車と△号車がターン2で接触した」とか、「□号車がターン4でトップ浮上した」など、すべてのアクションを肉眼でフォローすることが可能。加えてコースを取り囲むように観客席が設置されていることから、サッカーや野球のように、スタジアムのような感覚で観戦可能で、迫力満点のサウンドと合わせて独特の臨場感を楽しめることだろう。
また、シケインやヘアピンなどの低速コーナーを要するロードコースと違って、中高速コーナーをつなぎ合わせたオーバルコースは平均スピードおよびトップスピードが極めて高い。とくにインディカーのスピードはスリリングで、さまざまなレースを見てきた筆者も、初めてインディカー・シリーズを現地で見たときはそのスピードに興奮したものだ。
ときには派手なクラッシュも起きるほか、至る所で激しいポジション争いが展開されるなど、エンターテイメント性の高さもオーバルコースを舞台にしたアメリカン・レースの魅力である。ツインリンクもてぎのオーバルコースが使用さていないだけに、日本ではなかなかオーバルコースでのレースを見ることはできないうえ、現在は新型コロナウイルスの影響により渡米するのも一苦労だが、オーバルコースを舞台にしたアメリカン・レースは、レースファンにとって一見の価値があるジャンルだと言えるだろう。