子供の命を守るためにも長い期間後ろ向き装着を推奨している
子供をクルマに乗車させる大人には、子供の命を守るために、適正に装着され、かつ子供の体型に合ったチャイルドシートに座らせる、という責任があります。道路交通法でも、6歳未満の子供への装着が義務となっており、違反すると「幼児用補助装置使用義務違反」として違反点数１点が課されます。
にもかかわらず、チャイルドシート使用率は未だ、70.5％という残念な結果に（2019年警察庁・JAF合同調査）。なぜ、チャイルドシートに子供を乗せないのか。その理由を調べると、「知らなかった」「ちょっとそこまでだから大丈夫だと思った」といった、安全意識の低さをはじめ、さまざまな問題が浮き彫りになります。
そのなかで、せっかくチャイルドシートを購入しようと店舗へ行っても、どれを選べばいいかわからない、子供の成長に合わないものを購入してしまった、といった購入時の問題。そして、車両にチャイルドシートが正しく装着できていなかったという、装着時の問題も多いことがわかっています。
今回、チャイルドシートの安全基準が従来の「R44／04」という規格に加え、新たに「R129（i-Size）」という規格が採用されたのですが、そのおかげでこうした問題が少なからずクリアになっていますので、チェックしていきましょう。
まず、従来の「R44／04」は子供の体重（kg）に基づいて、製品の使用範囲が分類されていましたが、新規格の「R129（i-Size）」では身長による分類に変更されました。まだ骨格の脆い乳幼児の命を守るためには、なるべく長い期間、チャイルドシートを後ろ向き装着として、万が一の際に衝撃を広範囲に分散して受け止められるようにすることが重要です。でも「R44／04」では体重9kg（およそ生後12ヶ月ごろ）から前向き装着ができるとされており、専門家からは「それでは早すぎる」という指摘が多くありました。
それが新規格の「R129（i-Size）」では、身長76cm未満の前向き使用は不可となり、かつ生後15ヶ月までは後ろ向き装着をすることが義務づけられました。製品によって後ろ向きで使用できる期間は異なる、という注釈付きではありますが、「R129（i-Size）」ではできる限り長い期間、後ろ向き装着を推奨したいという意図がわかります。
