トロフィーと同じエンジンを積み21馬力アップ!
フランス・ルノーがまたまた過激なマシンをリリースした。といっても、すでにニュルブルクリンクの最速争いをホンダシビックRと繰り広げており、シーソーゲームを展開している武闘派のことだ。ルノー・メガーヌR.S.は、過激なパワーユニットと過激なプラットフォームと、そして秘密兵器を投入することで数々のコースレコードを樹立してきている。
正確にいえば、数々の新記録を樹立してきたルノー・メガーヌR.S.は、そのなかでも走りに特化したルノー・メガーヌR.S.トロフィーであり、パワーをさらに強化したモデルのことだ。そして今回のマイナーチェンジによって、トロフィーのパワーユニットがルノー・メガーヌR.S.にも搭載されたのである。
搭載する直列4気筒1.8リッターターボエンジンは、これまでの279馬力から300馬力に増強されている。
パワーフィールは豪快で、いかにもターボ過給に頼った感覚が襲ってくる。極低回転域は、たとえスロットルペダルを床まで踏んでいても加速に間がある。だがそれも一瞬のことだが、過給がフルチャージされると狂ったような加速に転じるのである。じつはフルチャージ以前にすでにパワーが盛り上がってきており、フロントタイヤを空転させた。300馬力の爆発力は、FFであることの限界を示すかのようだった。
ちなみに、ルノー・メガーヌR.S.トロフィーが樹立したニュルブルクリンク新記録は、「量産FFモデルの……」という注釈がつく。つまり、難攻不落なニュルブルクリンクを最速で駆け抜けるには圧倒的なトラクション性能が欠かせない。つまりFFには不利な環境なのだ。だがそれをルノー・メガーヌR.S.トロフィーはFFでやってのけた。それはまず、路面を掻き毟るほどの圧倒的なパワーがあるからだ。