「タフ感」のある見た目でもじつは「2WD」! 「なんちゃって」SUVをあえて選ぶ「意外な」メリットとは (2/2ページ)

SUV的な使い勝手を高めたモデルも存在する!

 一方、SUVテイストある、アウトドアにばっちり似合うエクステリアデザインを持ちながら、最低地上高など標準車のままという、マジに「なんちゃってSUV」なクルマもある。一例を挙げると、スズキのスペーシア・ギアがそうで、最低地上高150mmは標準車、カスタムとまったくいっしょ。こうなると、メリットはルックスのみ……と言えそうなのだが……。

 と、機能的なことばかりにフォーカスを当てて説明してきたけれど、樹脂のフェンダーアーチモールなどのSUV仕立てによって、世界的に流行している「SUVに乗ってます」感だけでも、標準車に対するエクストラコストを払う価値はあると言っていい。スペーシア・ギアにしても、着座位置、視界、最低地上高はまったくもって標準車とは変わらないものの、シートにはアクティブ感あるオレンジのステッチが入り、加飾もまたオレンジ色だ。

 さらに全席撥水加工シート生地で、海・山に出かけ、びしょびしょ、泥んこ、雪だらけのまま車内に乗り込んでもOK、気遣いなし。ルーフに荷物が積めるルーフレールも完備しているなど、アウトドアや海山のスポーツで大活躍してくれるSUV的な仕様、機能満載だから、そうした使い方をする人にとっては、SUV風であれ、走破性はともかく、選ぶ価値、雰囲気を楽しむ意味は十二分にあるというわけだ。

 スペーシア・ギアのような、汚れに強いシート、インテリアであれば、汚しざかり!? の子供を乗せてドライブするのにもうってつけ。汚れてもフツーの布シートと違い、濡れタオルでサッと拭くだけでOKなのだから便利で、車内を常に清潔に保てる、子育てカーとしての使いやすさ、メリットもありそうだ。

 この空前のSUVブームが将来まで続けば、アクアクロスオーバー、スペーシア・ギアといったモデルは標準車に対する販売台数の少なさ=希少性もあって、もしかしたら今後の下取り、買い取り価格にもメリットがあるかも知れない。

 以上はSUV風、ルックスだけSUV……なクルマについて説明し、そのメリット、デメリットを紹介してきたが、逆に、SUV風……に見えて、じつは中身は本格SUVというクルマもあったりする。

 一例を挙げればスバルXVで、インプレッサスポーツの車高を上げ、フェンダーアーチなどを付けただけのなんちゃってSUVと思いきや、全車AWD=常時四輪駆動で、AWD性能はスバル自慢のシンメトリカルAWD、フォレスターも採用するXモード(2モード、ヒルディセントコントロール付)、最低地上高200mmによって、かなりヘビーな悪路、雪道も安心・安全に走れたりする、見た目からは想像もできないほどの、抜群の走破性の持ち主でもあるのだ。本稿の趣旨とは異なるけれど、ご参考まで。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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