この記事をまとめると
■かつてはハイビームとロービームをわけた4灯ヘッドライトのクルマがあった
■LEDヘッドライトの普及で4灯である必要がなくなった
■LEDヘッドライトにより自由度が上がりさまざまなスタイルが実現できるようになった
LEDヘッドライトになったことで4灯の必要性がなくなった
最近、4灯式ヘッドライトのクルマを見なくなった。
輸入車であれば、メルセデスEクラス(W210系、W211系)あたりが丸目4灯フェイスの最後として記憶に残るところであろう。
国産になると1990年代の日産セドリック/グロリア(Y32系)のグランツーリスモの顔が記憶に残っているというファンも少なくないだろうし、プロジェクタータイプを並べたホンダ・インテグラ(3代目)も印象深い。
角目4灯のフロントマスクといえば、1970~1980年代の国産車ではしばしば見かけた。個人的には、三菱ギャランラムダ、スバル・レオーネ(2代目)の顔を思い出す。
いずれにしても、このように4灯ヘッドライトを採用した多くのクルマではハイビームとロービームをわけたことの必然だった。2灯タイプではハイビーム時にロービーム側が消えてしまうが、4灯であれば遠くを照らすハイビームと近くを明るくするロービームの同時点灯が可能で、より安全という認識もあった。もっとも、その弊害として車検時の光軸などヘッドライト検査時にロービームが邪魔してしまうためロービーム側を新聞紙などで覆って隠すという手間が発生することもあったが……。
現在のヘッドライトが持つ機能は、そうしたハイビーム、ロービームの単純な切り替えだけにとどまらない。多くのクルマがLED光源のヘッドライトを与えられ、いくつもの光源を状況に応じて切り替えることで先行車を避けながら、路肩は遠くまで照らし出すといったワザを実現しているヘッドライトも多い。なかには片側だけで100個近いLED光源を与えられたクルマもあるほどだ。