「気むずかしい」「エンジン始動すら大変」 旧車乗りだけが味わえる「それでも愛すべき」キャブレターの魅力6つ (2/2ページ)

純正スポーツカーでも気軽に吹き上がりを楽しめた

4)ブランドがいろいろ

 イタリアのウェーバー、フランスのソレックスといった二大巨頭以外にも、イギリスのSUやイタリアのデロルト、アメリカだとホーリーがメジャーだ。また日本では三国、日立、京浜などがある。世界的に需要は減っているものの、現在も作っているメーカーはあって、旧車やバイクで使われている。

 また、三国がソレックスと提携していて、純正採用も多かった。ソレックス、タコ足、デュアルマフラーのチューニング三種の神器、略してソレタコデュアルと呼んでいたのも懐かしい。また自動車メーカーもカタログで、装着しているブランドをアピールしていたのも今では考えられないことだ。

5)手間がかかる

 調子が悪いとかかりにくい。寒いとチョークを引いてかける必要がある。季節によってスクリューと呼ばれる部品を回して調整する必要があったりと、デメリットはあるが、この手間がかかるところが逆に愛着が湧いたりする。また、ツインキャブや6気筒の3キャブと、数が多くなるとかかりにくいというか、かけるのにコツが必要で、気難しいのを一発でかけることができるのもクルマ好きの勲章だった。

 また数が多いとそれぞれにアクセルワイヤーがつながっていて引っ張らないといけないので、アクセルペダルがかなり重たい。

6)ダイレクトなレスポンスと豪快な吹け

 最後は味わいの部分。インジェクションはきめ細かい制御で扱いやすいが、無駄もない。フライバイワイヤーが主流の現在ではなおさらだ。キャブはセッティングが決まっているのが前提だが、アクセルを開けたときのレスポンスがいいし、踏み込めば豪快に吹けて、ビッグキャブだと荒々しいぐらい。また、純正でもスポーツカーなら、激しくはないが同様の味わいが楽しめた。


近藤暁史 KONDO AKIHUMI

-

愛車
フィアット500(ヌウォーバ)/フィアット・プント/その他、バイク6台
趣味
レストア、鉄道模型(9mmナロー)、パンクロック観賞
好きな有名人
遠藤ミチロウ、岡江久美子

新着情報