10WD・8WS! その見た目はインパクト大
東京を代表するターミナル駅、池袋。さまざまな交通機関が行き交っているが、そのなかでひと際異色なのが、豊島区が再開発の一貫として運行しているIKEBUSだ。なにが異色かというと、まずは見た目。その名の通り、バスではあるが、四角いボディに丸目のライトが付いていて、かなりユーモラス。デザインは京都丹後鉄道「くろまつ・あかまつ・あおまつ。丹後の海」やJR九州「ななつ星in九州」などで話題の水戸岡鋭治氏が担当している。ちなみにユニークゆえ、ボディ製作は手作業だ。
見た目だけでなく、機能上、最大の特徴はタイヤが10個も付いていることで、しかも10輪すべてが駆動する10WDを採用している。ボディがコンパクトで、フロアをフラットにするためというのもあるが、実現可能にしたのは電気バスだから。それぞれのホイールにはDCブラシレスモーターが装着している。つまり、将来、採用が進むとされるインホイールモーターを採用していて、操舵は8輪で行なうということで、10WDの8WS。かなり稀有な存在だ。
しかも、いま話題の自動運転バスとなっている点にも注目。そもそもがターミナル駅周辺の短距離移動の足として活用すべく、登場したものだ。現在はレベル2なので、ドライバーが乗って監視しつつ、適宜手動運転で運行されている。手動運転となってしまうのは、ビルの谷間などで衛星からの位置情報であるGNSSを受信できないことがあるから。また左側の路駐車両がいるときも、避けるのは手動で行なっていて、現在はこのあたりの対処を見極める実証実験の意味合いも含んでの運行となっている。