二輪は多いが軽自動車はかなり少ない
ただし、東京といってもじつはかなり広く多様性がある。
東京都の発表によると、エリア別の人口は23区が965万5266人、市部が422万4446人、郡部が5万5951人、島部が2万4573人(2021年1月 推計値)。一口に東京といっても23区を除くとクルマを持つためのさまざまなコストは下がるだろうし、公共交通機関の整備状況も変わってくるのでマイカーを持つことのベネフィットは大きくなる。まして島部においてクルマは必需品といえるだろう。
ところで、東京の保有台数のデータで注目したいのは全国に対する二輪車の比率が高いことだ。駐輪場も問題もあるが、意外に都内では二輪車の機動性は高く評価されているのかもしれない。たしかに23区内でも古い街並みのエリアは道も狭く、そもそも自動車の運用が想定されていないと感じる場所も少なくない。
とはいえ軽自動車の新車販売でみると、東京は非常に少ない(2021年3月で5086台、全国比は2.80%)。23区内でマイカーの維持コストを払えるようなユーザーは軽自動車を買わないというイメージ通りの結果となっている。
結論としてまとめると、「東京でクルマが持てない」という言い方もあるが、乗用車だけでも314万台ものクルマが存在しているのだから、絶対数でいえばクルマを持っている人は少ないわけではない。とはいえ、一人当たり保有台数でみると全国平均を下まわるように、クルマを持ちづらい傾向にあるのも数字が示している。
少なくとも23区内など公共交通機関が整備されているエリアに限れば「東京ではクルマを持たない」ほうがスマートなライフスタイルといえる。マイカーを持たず、必要に応じてシェアリングするような楽しみ方が都市型カーライフの新しいスタイルといえるのだ。