発売から10年近いモデルはラインアップから外れる可能性が高い
ランドクルーザーやジムニーのような悪路向けのSUVと、ハイエースやプロボックスのような商用車を除くと、一般的な乗用車はフルモデルチェンジを5〜7年ごとに行う。周期は長くても10年で、これを過ぎると車種を廃止することが多い。
たとえば以前のヴィッツは、2010年に発売され、10年後の2020年に現行ヤリスへフルモデルチェンジされた。これが周期の限界だ。エスティマは、発売から10年後にフルモデルチェンジではなくマイナーチェンジを受けて、結局は廃止された。プレミオ&アリオンも、2007年に発売され、2021年に入って生産を終えている。
こうなるとフーガやシーマも、悲観的に思えてしまう。フーガはこのままフェードアウトされる可能性が高い。シーマの発売はフーガの後だが、基本部分を共通化したロング版だから、同じ扱いを受けることになりそうだ。
今後フーガとシーマがフルモデルチェンジされたり、後継車種が登場する見込みも皆無ではないが、今は電気自動車、各種の環境技術、自動運転、安全機能への投資も多い。この影響で車種開発が絞られている。
そして将来を見通すと、新型車を開発するなら電気自動車への対応が大切で、床下にリチウムイオン電池を搭載しやすいことから背の高いSUVが有利になる。今は車種の転換期だから、フーガやシーマの時代が終わり、今後は新たな車種構成を構築しそうだ。
上記のような事情があるものの、今は普通に選べる日産車が大幅に減った。その結果、2020年度に国内で売られた「デイズ+ルークス+ノート+セレナ」の販売台数を合計すると、日産の国内販売総数の63%に達する。エクストレイルなどの次期型はなるべく早期に導入して、なおかつ海外で売られるマイクラの国内導入など、ユーザーから喜ばれる車種を充実させてほしい。