新社会人にとってマイカー生活は夢のまた夢? 「東京都内・ひとり暮らし」でいくら必要か計算してみた (1/2ページ)

新車を現金で買うケースを想定して検証する

 進学や就職でこの春、東京へ引っ越してきた皆さん、ようこそ東京へ! 東京にはなんでもあります。おしゃれなカフェも、流行のファッションも、エグゼクティブが集まる社交場も。勉強や仕事はもちろん、そうした東京ライフを楽しみにしてきた皆さんも多いことでしょう。

 ただ1つだけ、これまでどおりの便利さを求めるなかで、東京で難しくなってしまいがちなことといえば、「マイカーを持つこと」かもしれません。もしかしたら皆さんのなかにも、それまで大切にしてきた愛車を実家に残してきた、という人もいるのではないでしょうか。東京では駐車場が高いことに加えて、どこへいくにも駐車料金がかかり、渋滞も激しいです。クルマより公共交通機関の方が便利なシーンも山ほどあります。が、一度クルマの楽しさを知った人なら、やっぱりマイカーのある生活を東京でも続けたいと思いませんか?

 そこで今回は、東京23区内で駐車場なしの賃貸アパートに一人暮らしをする人が、マイカーを持つにはいったい年収いくらあれば可能なのか? かかる費用を洗い出して、検証してみたいと思います。マイカーの購入金額は、年収の5割以下に抑えるのが妥当だと言われていますが、さていったいどうなるのでしょうか。

 まず、東京23区でもっとも1Kアパートの家賃相場が安いところを探しました。それが、江戸川区。平均家賃は月額6万3000円でした。生活していくには、家賃のほかにもいろんな経費がかかりますね。ざっとですが計算してみると、「光熱費(電気・水道・ガス)」1万円、今や公私ともに欠かせない「携帯料金」1万円、なるべく自炊で節約するとしても「食費」2万円程度はかかるでしょう。友人たちとの付き合いや服飾費、娯楽費など、「お小遣い」は最低でも3万円は欲しいところ。その他、「雑費」で1万円としておきます。

 家賃と生活費をすべて合計して、14万3000円となりました。まずはこれだけでも、年収171万6000円(手取り)が必要ということになります。

 そしていよいよマイカー購入です。中古車を選択すれば、10万円程度でも購入できますが、今回はあえて新車を現金で買うケースを例にします。現在、乗用タイプの新車で車両本体価格が最安値なのは、ダイハツ・ミライースのグレード「B」で86万200円(税込)。

 ただしクルマはこの金額そのままでは購入できません。購入時に必ずかかる費用は、以下のとおりです。「重量税」「軽自動車税(自動車税)」「環境性能割」「自動車リサイクル料」「自賠責保険料」。また、ディーラーに頼めば数万円の費用がかかるのですが、自分で行うことで節約できるのが「車庫証明費用」と「登録費用」「納車費用」です。

 上記をミライースで計算していくと、「重量税」は通常7500円ですが、2021年4月30日現在で計算すると、エコカー減税が適用されて0円。5月1日以降は新税制により50%減税となって、3700円かかります。「軽自動車税」と「環境性能割」は5月1日以降も非課税で0円です。「自動車リサイクル料金」は、預託金が7010円に、情報管理料金/資金管理料金として420円が加わり、合計7430円。「自賠責保険料」は36ヶ月で2万6760円です。

 さらに、通常はディーラーで代行してくれますが、自分で行うことで節約できる費用として、まず「車庫証明費用」。書類だけもらって記入・捺印し、住所の管轄警察署に持参・提出して数日後に受け取れば、費用は印紙代の500円のみです。


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

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