工具をシフトノブ化! グリルに馬の蹄鉄! いま見ると「意味不明」な昭和のカスタム4つとその由来 (2/2ページ)

手軽に交換できることから定番化したものも!

3)ブーメランアンテナ

 もう少し時代が現代に近づけて1980年代にドレスアップアイテムとして流行したのがブーメランアンテナだ。文字どおりブーメランを思わせる大きなV字型アンテナをトランクの上に装着するというブームがあった。もともとは、アメリカのリムジンや欧州系チューナー(ケーニッヒなど)の手掛けたクルマにテレビアンテナとして装着されていたことでブーメランアンテナは認知度を高めていった。

 欧米の高級車に装着されていたという影響で流行ったわけだが、ドレスアップアイテムとして流行るようになったころには完全にダミーアンテナとなって、ただトランクの上に両面テープで固定しているだけのクルマも多かった。とくにトヨタGX71系マークII兄弟や同年代のトヨタ・クラウンといった国産車では人気の高いアイテムだった。

 現在でもセダン系のドレスアップで知られるジャンクションプロデュースから汎用品としてブーメランアンテナは用意されている。当時のスピリットはまだまだ健在だ。

4)工具のグリップ

 その後、1990年代に入って走り屋ブームが来たころに流行ったのが、スナップオンやMACツールズといった舶来工具メーカーのグリップを鍵やシフトノブ、サイドブレーキなどに流用して使うというカスタムだ。もともとは工具のグリップとキーをそれぞれ加工して、まるでドライバーの部分がキーになっているかのように見せるという、まさに自己満足なカスタムだ。

 とくに永久保証の工具であるスナップオンを、あえて加工してしまうというのがカッコいいとされていた。その後、キーをはめるための専用品が出てきたり、グリップ形状のキーホルダーを加工したりと手軽な方法も出てきたことで、一気に流行から定番に移行した感もある。

 最近はスマートキーが増え、カギを刺すタイプが減ってきたことでこうしたカスタムを見かけることも減ってきたが、動画サイトで検索すると加工の仕方を説明した動画をたくさん見つけることができる。気になる方は、探してみて欲しい。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

愛車
スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
趣味
モトブログを作ること
好きな有名人
菅麻貴子(作詞家)

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