知識がない人でも故障と気付けるよう工夫されている
最近は車検時も「問題なく走っているんだから、通すだけでいい」というお客さんがけっこういるという。走らないでも死にはしないけど、止まらないのは死んでしまうこともあるので「ブレーキぐらいはやっておいたほうがいい」と言ってもダメで、点検だけしておしまい。バッドが減っていても、とりあえずそのままと言う。
もちろん本当は分解してきちんとチェックしたり、グリースを塗り直したりしたほうがいいとはいえ、お客さんがいいというものを無理強いすることはできないし、採算度外視でやってあげるのも変ということで、しぶしぶそのまま返すということになってしまう。
車検整備をしてもそうなのだが、当然、2年間の走行中に消耗部品は減っていくわけで、ブレーキはその最たるものだ。パッドやシューが減ってしまった場合、どうなるか?
もちろん効かないので止まらない。ただ、いきなり止まらないということにならず、徐々に利かなくなってくるので、そのときに気がつけばことなきを得るし、無駄な費用がかからなくて済む。じつは自動車メーカーもその点はわかるように作っていて、あまりメンテをしない人は少なくとも次の点だけは留意して日々乗ってほしい。
1)ブレーキを踏むとキーキーと音がする
ブレーキはパッドとローターの当たりが悪くて鳴くことがあるが、これは音も小さくて驚くほどではない。ここでいうキーキー音は、かなり耳障りで、耐えられないほどだ。それも当然で、金属がローターに直接当たっているから。パッドの横に金属の板を付けて、限界に近いとわざとローターに当たるようになっていて、知識がない人でもなんかおかしい故障かな? となるようにしてある。