クルマがひとクラス上がったような走りを実現
さて、こんな風に静粛性や乗り心地の話ばかり強調すると、走りはそこそこ、それなりという印象を受けるかもしれない。しかしながらPROXES CL1 SUVは走りっぷりも上々の仕上がりだった。
まず好印象だったのが、発進加速の鋭さ。鋭さというより意のまま感とでも言うべきかもしれない。ハイブリッド車特有の低回転域の豊かなトルクに対してヨレ感やトラクション不足などを感じさせることなく、しっかりと小気味よくクルマを前に進めてくれるのだ。
また、SUVはどうしても車高が高く、車両重量も嵩みがちとなるが、PROXES CL1 SUVはコーナリングでも腰高感を強く意識させることはない。路面が多少うねっていても、しっかり路面を捉え続けるしっとりとした接地感が、絶大な安心感に繋がっている。
もう一度トレッドパターンをよく見ると、ブロックの端が面取りされているのに気付くはずだ。これはダイナミックテーパーと呼ばれるもので、タイヤに荷重がかかったときに接地面積を保つ働きをする。また、樽状に膨らんだバレルルーフリブによる接地圧を均一化する効果なども相まって、こうした確かな接地感が導き出されているのだ。SUV専用を謳うのは伊達じゃないのである。
スタビリティも満足のいくもので、高速道路ではステアリングホイールに両手を添えておくだけでクルマがしっかり真っ直ぐ走っていく。一方、コーナリングが続く区間ではレスポンスの正確さ、高い一体感に目を見張った。トータルで見た走りの質は、まさにクラスがひとつ上がったようだと言いたくなるほどだったのだ。
冒頭に記したように、今時のSUVユーザーの多くがクルマを使うのは主に一般道や高速道路であり、そこでの快適性、静粛性がプライオリティの筆頭にあると言っていい。PROXES CL1 SUVは、まさにそうしたニーズをうまく汲み取り、見事に具現化してみせたSUV専用タイヤである。こういうのを待っていたんだという人、きっと少なくないに違いない。
個人的に感心させられたのは、こうした要素を、走る、曲がる、止まるというクルマの走りのもっとも基本的な部分、そして当然無視できない燃費性能までも、しっかり煮詰めた上で実現していることだ。むしろ、そうした土台があるからこそ、静けさも、乗り心地の良さも、存分に享受することができるというものだろう。
PROXES CL1 SUV。今どきのSUVユーザーなら、その名を覚えておきたいタイヤの登場だ。
◆試乗インプレッション動画はこちら
装着タイヤ:TOYO TIRES PROXES CL1 SUV(トーヨータイヤ・プロクセス・シーエルワン・エスユーブイ)サイズラインアップ:175/80R16〜245/40R20(全20サイズ)
試乗車:トヨタ・ハリアーハイブリッド
装着サイズ:225/55R19(前後)
問い合わせ:お客様相談室 0800・3001456(受付時間 平日:9:00~17:00)
https://www.toyotires.jp/product/pxcl1suv/