国境を超えて同じプラットフォームを使うこともある!
ちょっとクルマに詳しい人なら分かっているはずの、今では三菱を代表するSUVのアウトランダーと、まるでジャンルの異なる三菱デリカD:5もじつは、基本部分はいっしょ。だから、デリカD:5は世界最強の悪路に強いミニバンという称号を得ているというわけだ(ホイールベースは異なる)。ついでにいえば、クラス違いのアウトランダーとエクリプスクロスも同じプラットフォームを使っている。ホイールベースはともに2670mmである。
最新の例では、日産ノートとルノー・ルーテシアが同じプラットフォーム=CMF-B(Common Module Family B-segment)を使っている。メーカー間の関係(アライアンス)、コストダウンが図れるメリットもあって、トヨタ・スープラとBMW Z4のように、海を超えたプラットフォームの共用が実現するわけだが、ノートとルーテシアがある意味、兄弟車!? というのは、まさに時代のなせる業と言っていいだろう。
ちなみにルーテシアには、日産からもたらされた先進運転支援機能まで装備されるのだ(祝)。同じコンパクトカーでも、e-POWERのみのノートとガソリン車のルーテシアでは、見た目もキャラも走りのテイストもまるで違うのだから面白い。
極端な例としては、ドイツのポルシェ・カイエンと、イタリアのランボルギーニのSUV、ウルスが、国境を越えて同じプラットフォームを使っていると聞けば、意外度120%ではないだろうか。エンジンはどちらも4リッターV8(ウルスはターボ)を搭載しているなど、細かいことを見ていけばいくほど、共通点があったりする……。
国境を超えた別ブランドで、共用プラットフォームを使う例はまだまだある。駆動方式がRR同士のフランスのルノー・トゥインゴとドイツのスマートfor fourも、じつは同じプラットフォーム、4ドアの基本ボディ、エンジン、デュアルクラッチのミッションなどを共用する、国境を超えた兄弟車なのである。とはいえ、兄弟車であることを知る、知らないにかかわらず、両車の選択で悩む人は、その生産国、キャラクターの違いから、まず、いないと思いますけどね……。