内部構造にまで達するようなひどいものは要交換
冒頭の話に戻り、タイヤ表面に亀裂やひび割れが見られるとき、どのような問題があるのだろうか。
正直いって、表面に薄くひびが広がっている程度であれば無視してかまわない。紫外線などによりゴム表面が傷むのは設計時から織り込み済みで、ある程度まではタイヤメーカーも使用可能と明言している。とくに、トレッド面の浅いひびであれば走行することでゴム表面が削れることもあって無視していいだろう。
しかし、とくにサイドウォールのひび割れが深くなり、タイヤの骨組といえるコード(カーカス)部に達しているようだと安全ではない。たとえトレッド面の山が残っていたとしても、すぐにでもタイヤ交換すべき状態といえる。
なぜなら、タイヤのサイドウォールやショルダー部分というのはカーカスを保護するために存在しているといっても過言ではない。ひび割れが深くなって、カーカスまで達しているということは、その保護性能が失われているという証拠。もはや設計通りの機能を発揮できる状態でなくなっているのは明らかだからだ。
とはいっても、アマチュアが目視で確認しても、ひび割れがカーカスにまで達してるかどうかはわからないことが多い。心配であればタイヤショップなどでプロのメカニックに確認してもらうという手もあるが、目視でひび割れが深く見えるようであれば、プロの見立てでNGといわれてもおかしくない。交換前提で予算を組んでいたほうがいいだろう。
結論をまとめると、タイヤ表面のひび割れというは、亀裂が浅い範囲であればある種の仕様といえるため問題ない。だが、サイドウォールのひび割れが深くなり、タイヤの骨格といえるカーカスに達している場合は、トレッド面のコンディションにかかわらず安全とはいえない。タイヤ交換を考えるべきだ。