この記事をまとめると
■タイヤのひび割れを発見したらまずはタイヤの製造からの年数を確認
■ひび割れがあっても溝が十分にあり製造から5年以内であれば使える可能性もある
■ひび割れの深さなどは素人では判断つきにくいため専門店でのチェックが望ましい
少しくらいのひび割れは許容範囲で問題なし
タイヤをよく見ると表面に無数のひびが入っているのに気付くことがある。ぶつけたわけでもなく、トレッド面の山は十分にあるのにひびが入ってしまうのは不思議に思うかもしれないが、これは熱や紫外線などによるもので避けられない経年劣化だ。
紫外線はゴムを分子レベルで切断するため、その影響を受ける表面に小さな亀裂が入っていく。それが目視できるレベルに大きくなったものがひび割れということもできる。
では、このタイヤ表面のひび割れは無視していてもいいのかといえば、そうではない。ひび割れ具合によっては安全な走行に支障をきたすこともある。
とはいえ、タイヤ表面がひび割れていたとしても、ひびの深さが浅い限りは保安基準的にはNGとならない。いわゆる車検においては基本的にタイヤの溝深さについては1.6mmというチェック項目はあるが、ひび割れについては明確な基準がないからだ。
生産から年月が経っていて、経年劣化によりひび割れだらけのタイヤであっても車検は通ってしまうことがある。ただし、タイヤというのはおもにゴムによってグリップを生み出しているものであり、ゴムというのは一種の生ものである。ひび割れの有無にかかわらず生産が古いタイヤというのは、未使用であったとしても安全に走れるコンディションにはないと考えるのが妥当だ。
目安としてはさまざまだが、生産から5年を経たタイヤというのは交換を考慮すべきタイミングになっているといえる。なお、タイヤの生産年月はタイヤ側面(サイドウォール)に四桁の数字で表記されている。たとえば「1021」となっていれば、最初の二桁が第10週を示し、後ろの二桁が西暦2021年であることを示している。つまり3月8日からの週に生産されたフレッシュなタイヤということがわかるのだ。