「高い方のオイルにします?」 ディーラーで勧められる「上のクラス」のエンジンオイルを入れる意味はあるのか

メーカーが純正指定しているグレードや粘度で問題ない

 エンジンオイルについての話題は、クルマ好きの好物でもあり、諸説紛紛、議論百出、いつでも話題に事欠かない。

「めんどくさいので、ディーラーで純正指定オイルに交換」と思っても、「もうワンランク上のオイルにしませんか」と提案されることも……。

 こうした場合、オススメの高いオイルを入れたほうがいいのだろうか?

 結論からいうと、メーカーが純正指定しているグレード・粘度でまったく問題ない。

 メーカーはクルマを開発するときに、その純正オイルを前提に設計し、各種テストを行ない、耐久試験を繰り返し、長期の保証をつけて、ラインオフしているので、サーキットで全開走行を楽しんでいるといった特殊な使い方をしていない限り、純正指定オイルで間違いない。

・短距離の繰り返し走行が多い(目安:8km/回)

・低速走行が多い(目安:30km/h以下)

・アイドリング状態が長い

・外気温が氷点下での繰り返し走行が多い

 といったシビアコンディションの場合、ノーマルコンディションの1/2のサイクルでオイル交換することをすすめるが、オイルの銘柄を変更する必要はない。

 もし、愛車のために何か+αを、と考えるのなら、オイル交換のたびに、毎回オイルフィルターも一緒に交換するほうが、ずっとエンジンは喜ぶはず。

 ただし、高いオイルを選んでも、コスト以外のデメリットはない。

 それどころか、ホンダ純正のエンジンオイル ウルトラ GOLD SN 5W40(廃版?)や、日産純正のエンジンオイル、エンデュランス SM 10W-50などは、高性能オイルとして知られているし、日産R35 GT-R純正指定オイルのモービル1や、日産純正NISMOスポーツオイル(モチュール)などのスペシャルなオイルもあるので、クルマと使い方によってはそういうオイルを入れるのもいい。

 一方でごく稀に特定の車種でエンジントラブルが報告され、メーカーからディーラーにオイル交換時にオイルのグレードを上げるよう指示があったというのも聞いたことがあるが……。

 オイルも日々進歩していて、10年前はAPIの規格も「SL」が最上級だったのに、「SM」「SN」規格が加わり、2020年からは次世代規格の「SP」が施行。

 より省燃費性、長寿命化、最新のエンジンへの適応が進んでいるので、新しいクルマには、そうした新しいオイルが指定されているはずだし、少し前のクルマにもこうしたオイルを試してみるのもいいかもしれない。

 ただ10年、20年前のクルマだと、最新のオイルと相性が悪い場合もあるので、古いクルマほど指定の粘度指数は守った方がいい。今どきの低燃費オイルを入れるのはオススメできない。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
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