この記事をまとめると
◼︎︎︎︎︎︎︎荷室の広さが成功のカギ
◼︎個人利用ならN-VANもオススメではある
◼︎コストパフォーマンスではハイゼットが優れている
N-VANはキャブオーバーのライバルに遅れをとっている
新型コロナウイルスの影響により社会は大きく変わっている。新しい生活様式にもとづき、いわゆる「巣ごもり需要・巣ごもり消費」が膨らんでいる。そしてネット通販が拡大している。
そうした需要増に合わせて、軽バン起業に注目が集まっている。通販のラストワンマイル(宅配)を担う軽貨物運送業を個人事業主として始めるというビジネスモデルで、そうした起業をサポートするサービスも増えている。また、通販会社はそうした軽バン事業主を囲い込もうとする動きも見せている。
では、軽バン(軽1BOXバン)各車の人気ぶりはどうなっているのか。2021年第一四半期(1月~3月)の販売データを見てみることにしよう。
2021年第一四半期販売台数 ※全国軽自動車協会連合会調べ
ダイハツ・ハイゼットカーゴ 1万7725台
スズキ・エブリイ 1万6634台
日産NV100クリッパー 9210台
ホンダN-VAN 8949台
トヨタ・ピクシスバン 2295台
マツダ・スクラムバン 1543台
三菱ミニキャブバン 1364台
SUBARUサンバーバン 1140台
三菱ミニキャブミーブ 651台
厳密にはホンダのN-VANはFFベースで、ボンネットバンに分類すべきだが、ホンダ自身が軽バン市場に向けて投入したスライドドア車ということもあって、このランキングに混ぜてみたが、こうしてみるとエブリイOEMのNV100クリッパーにも届かない販売台数となっている。かつてホンダがこのカテゴリーに投入していたミッドシップ軽バン「アクティバン」に比べれば、市場での存在感は増しているが、苦戦しているのは間違いない。
そして、このランキングをパッと見るとハイゼットカーゴがもっとも売れているように見えるが、さにあらず。キャブオーバーバンのカテゴリーでは実質的にはハイゼットカーゴ、エブリイの2モデルしか存在せず、ほかのモデルはいずれかのOEMとなっている。つまりOEMを合計することで、真のランキング(市場からの支持)が見えてくるのだ。
というわけで、ハイゼットカーゴとそのOEM(ピクシスバン、サンバーバン)の合計は2万1160台となり、エブリイにOEM3台(NV100クリッパー、ミニキャブバン、スクラムバン)を足すと2万8751台となる。つまり、2021年第一四半期でのデータだけでいえば、エブリイ兄弟が最人気となっているといえる。