やはり買い得グレードは必要なのでは?
ノートが販売面で不利なのは、エンジンがハイブリッドのe-POWERに限られ、ヤリスやフィットのようなノーマルタイプを用意しないことだ。開発者は「先代ノートでも販売総数の75%をe-POWERが占めていた。内外装の質を高めることも考えて、価格が200万円を超えるe-POWERに絞った」という。
その代わりライバル車と違って、価格が170万円前後の買い得グレードは選べない。先代型のe-POWER比率が75%でも、残りの25%はノーマルエンジンだったから、販売面に与える影響は大きい。仮に新型ノートにノーマルエンジンが用意され、e-POWER比率が先代型と同じ75%なら、受注台数は2万7000台に達していたと考えられる。
またホンダにも当てはまる話だが、今の日産には売れ筋車種が少ない。直近の2021年2月において、デイズ+ルークス+ノート+セレナの販売台数を合計すると、この時期に日本国内で売られた日産車の62%を占める。そうなるとミニバンのセレナではカバーできない小型/普通車ユーザーをすべて引き受けるのがノートになるから、好調に売れないと日産の国内販売は成立しない。
今後の日産がコンパクトカーのティーダやキューブを復活させたり、海外のマイクラを国内へ導入することは考えにくい。マーチの商品力を大幅に高める様子も見られない。従ってノートは、今後も日産の小型車ユーザーにとって大切な基幹車種であり続けるから、ノーマルエンジンを加えるなど、商品力をさらに強化して販売を促進させる必要があるのではないだろうか。