日本では販売をやめたスズキ・バレーノ&SX4が海外で人気!
日本ではマイナー過ぎて、2020年には両モデルとも日本市場ラインアップから消えてしまった。ところが両モデルとも、海外ではとても人気がある。
まず、「バレーノ」はインド製だ。インドでスズキと言えば、その存在を知らない人は皆無というほどの高い認知度がある。なぜならば、インド政府が1980年代に起こした国民車構想でスズキが連携し、それ以来、スズキは名実ともにインドの国民車となったからだ。
当初、スズキのインド車は日本のアルトをベースとして、車体やエンジンを拡張したモデルと導入した。その後、軽ベースのみならず、乗用車の現地生産も力を入れてきた。
そうしたなかで、「バレーノ」はスズキにとって新興国向けのみならず、世界戦略車として位置付けてきたのだが、商品としてのテイストや価格が日本市場におけるユーザーや販売店の要望と結局マッチせず、日本では短命で終わってしまった。
一方、「SX4」はハンガリー生産が主流だ。実際、筆者はハンガリーの生産拠点を取材し、現地の市街地で試乗をしたことがある。コンパクトなSUVっぽい雰囲気で欧州各国で根強い人気があるモデルだ。
日本市場でも初代、そして2代目と販売されてきたが、主要な市場は欧州、インド、そして中国などであり、直近での日本でのSUVシフトのトレンドとは商品がマッチせずに日本から姿を消すことになった。
またタイミングとしては、「バレーノ」と「SX4」の日本市場撤退は、日本政府が進めるカーボンニュートラル政策での電動化シフトとも少なからず関係があると思われる。