コペン・クーペの魅力や人気とは?
●流麗なスタイリングは注目
メタルトップのオープンカーは、ルーフの折りたたみ方とデザインを両立させるため、ボディラインに少なからず制約が出てしまう。しかし、それをクローズドボディとすることで、より2ドア車の流れるようなデザインを追求することができる。
コペンのもつ丸みを帯びたスタイリングを活かしながらも、元々このデザインが存在していたのでは? と思えるほどのシルエットは、多くのスポーツカー好きを魅了するのではないだろうか。
また、初代モデルを彷彿とさせる丸形ヘッドライトを採用したセロをベースにしてる点も、ファンにとっては嬉しい限り。初代モデルのころからクーペを待っていた、という人も多いことだろう。
●小さなボディに詰め込んだ最新技術
CFRP製のハードルーフや曇りにくいフロントガラスなど、上級・高級モデルでもオプション設定となりそうなアイテムが標準化されているのは、クルマ好きをくすぐるポイントだろう。軽自動車だから、単純に上級モデルなどから流用して装備するのではなく、コペンクーペのために用意された数々の専用装備というのが、コペンファンから支持を得ている。
●わずか200台という希少性
肝となるハードルーフの大量生産ができないということで、生産台数はわずか200台となってしまった。これが、多くのクルマ好きが欲しい! 思える要因のひとつに。他社も含め、限定とつくスポーツカーのスペシャルモデルはさらに魅力的な仕様に仕立てられており、どれも高い倍率での抽選販売などになっている。このコペンクーペも同様。希少な軽スポーツクーペとして今も変わらない存在感を発揮している。
これからコペン・クーペを手に入れるには?
すでに記述したとおり、200台の限定生産で新車を購入することはできない。どうしても手に入れたい人は中古車市場などから探し出すしか方法がない。本稿執筆時点(3月26日)において、中古車情報サイトに掲載されていたのはわずか7台のみ。ほとんどが新車価格とほぼ同額、そしてそれ以上というプレミア価格が付けられていた(236万円〜291万円)。
量産化を望む声もあったが、やはりCFRP製ハードルーフの大量生産が難しいということで、発売当時も月間40台を5カ月かけて生産し200台をユーザーへ届けるという生産スケジュールだった。それ故に、現時点では限定数での再販売、そしてルーフのみをオプション設定で発売するということも難しいだろう。
デビュー時のインタビューで、ハードルーフは軽さや強度、精度やコスト、量産性のバランスなどを検討したものの、肝となるインフュージョン成形法も高く、また別の製法で代用することも難しいと判断。そのため、ルーフ単体での発売はないだろう。
しかし、コペンはクーペだけではない。さまざまなバリエーションモデルが存在してファンを魅了している。個性的な形状のヘッドライトを採用する、2代目コペンとして最初に誕生したローブ、クロスオーバー風スタイルでアクティブさが際立つエクスプレイ、初代を彷彿とさせる丸形ヘッドライトのセロ、そしてトヨタのスポーツカーブランド「GR」とコラボレーションして誕生したGR SPORT。4つのバリエーションをラインアップしている。
またGR SPORTを除く3モデルには、ビルシュタイン製ダンパーやMOMO製ステアリング、レカロシートを備える上級グレード“S”も用意されている。希少な軽オープンスポーツを楽しんでみてはいかがだろうか。
貴重な軽オープンスポーツは偉大な存在だ!
ホンダS660が生産終了することを発表。軽自動車のオープンスポーツクーペはコペンのみとなってしまう。しかし、2002年の誕生からダイハツがラインアップに残し続けているというのは、それだけファンも多く、そしてクルマにも魅力がありダイハツが大事にしている証拠。これからも希少な存在として、ファンを魅了し続けてくれることだろう。