体格は175センチ・80キロが基準!
衝突実験でよく目にする、ダミー人形。運転席などに置かれて、衝突の瞬間、グラグラとゆらいでいる人形だが、もちろん生身の人間ではテストできないので、身代わりとしてとても重要な役割を担っている。また、シミュレーションでのテストも増えてきたとはいえ、今でも各メーカーや各試験機関により、ダミー人形を使用したテストが行なわれている。ちなみにシミュレーションでは元になるデータが必要だが、それらはダミー人形で測られたものなので、アナログでのテストは重要なのだ。
そこで思うのが、ダミー人形はどこで売っていて、価格はいくらぐらいなのか。さらに姿や形は人によって異なるが、基準はあるかなど、疑問はいろいろと出てくる。見た目はベージュ色のただの人形だけになおさらだ。
今まで、衝突試験を取材したり、展示会に出品しているメーカーに聞いてきたが、そもそもの発祥はアメリカで、それゆえ、今でも輸入品がほとんど。最近やっと日本メーカーも参入してきたようだが、それでも数はとても少ない。アメリカで多いのは昔から軍事用に試験を行なっていたからで、ダミー人形の歴史も長いという。そのため体格は大きめで、175センチ&80キロが基準となるようだ。
ただ、これだけでは、さまざまなシチュエーションに対応できず、女性や高齢者を模したものもあるし、ボルボは独自に妊婦のダミー人形を作っているほど。さらに成長が著しい幼児や子供のものは、かなり細かくそれぞれの体格が用意されている。