自動車メーカーが嫌う添加剤的アイテムをメーカーが開発
そして、続いて試してみたのは「GRインジェクタークリーナー」だ。リリースを見ると「燃料タンクに注入することで、走行しながらインジェクタ、インテークバルブ、プラグ、燃料室などに付着したデポジットを除去して、新車時に近い加速性、始動性および燃費を取り戻します」とある。これだけ見る限りは他社の製品と変わらない。ただ、一般的には「余計な物は入れないで欲しい」と言ったスタンスの自動車メーカーが開発……ということは、効果に相当な自信があるのだろう。
40〜60Lに1本ということなので、満タン状態で注入。「燃料が空にならない程度まで消費することで、十分な洗浄効果が期待できます」と言うが、注入直後から変化があった。
一番感じたのは、アクセルに対する応答性が俊敏になったことで、実用域のギクシャク感が少なくなっている。また、中速〜高速の伸びも良くなっているなど、全域で眠いエンジンが目覚めた印象だ。正直、液体チューニングでここまで変化があるとは思っていなかったのでビックリだ。
開発者に印象を伝えると「距離を重ねたクルマほど効果が体感できると思います。86の中古市場が活況を呈していますが、購入されたお客さんのちょっとした『リフレッシュプラン』として使っていただくといいと思います」と語ってくれた。
そろそろ結論に行こう。一般的にケミカル系のアイテムは「気持ちの問題」、「プラシーボ効果」と馬鹿にする人が多いが、今回テストした商品は下手なハードの変更より効果が感じられた。あのトヨタが多くの人材、多くの施設、そして多くのテストを経て生んだ商品……本気度が違うのだ。そこには「気軽/手軽に乗り味の変化を楽しんでほしい」、そんなGRの想いが込められている。