NOx吸蔵触媒はリーンバーンエンジンで実現している
かつて自動車の排ガスは垂れ流し状態だった。それが大気汚染の対策として基準がどんどん厳しくなるなかで、排ガス処理技術は進化してきた。
現在、ガソリンエンジン車に使われている「三元触媒」はCO(一酸化炭素)、HC(炭化水素)、NOx(窒素酸化物)という異なる有毒ガスを無毒化する機能を持っている。具体的にはCO2(二酸化炭素)、H2O(水)、N2(窒素)、O2(酸素)といったものに変換するのが、その役割だ。
ディーゼルでいえばPM(粒子状物質)をキャッチするDPF(ディーゼルパティキュレートフィルター)が付いているし、ガソリンエンジンでも一部の直噴エンジンにはGPF(ガソリンパティキュレートフィルター)が備わり、よりクリーンな排ガスを実現している。
ガソリンリーンバーンエンジンではNOx吸蔵還元触媒といった技術も当たり前になっている。これは、NOxをいったんため込んでおいて、還元が可能な状況になったときにN2へと還元する機能を持つ触媒のことだ。
この機能を見て、ハタと思いつくことがある。
そう、いま気候変動対策として問題になっているCO2も触媒的な装置で吸蔵することができれば、ゼロエミッションの電気自動車や水素燃料電池車に移行する必要もなくなるし、純粋なエンジンをいつまでも楽しめるのではないだろうかということだ。