スパイクタイヤが原因の粉塵は人体にも有害
また自転車用やバイク用で見かけることがあるが、規制の対象としていないので使えるし、緊急車両や障害者の方が運転するクルマも同様だ。クルマ用も例外はあって、ピンが柔らかければスパイクタイヤにならない。ただし、国内タイヤメーカーがスパイクタイヤの生産を中止したあと、実際に樹脂の柔らかいピンを使用したものが輸入されて販売されていたが、柔らかくて意味がなかったことから、しばらくすると見かけなくなってしまった。
決められた地域とはいえ、積雪路での使用ができるのは、そもそも禁止されるきっかけが粉塵だったから。現在でも金属チェーンで走ったあとはアスファルトが削れて凸凹になっていることがあるが、チェーンはすぐに外すのでダメージは最小限としても、スパイクタイヤは冬が終わってからもそのまま走り続ける例が多かった。また冒頭のコメントにあるように、グリップ力が高いので(スタッドレスはなかった)、装着率が7割ぐらいだったのも拍車をかけた。
とくに多かったのは北海道で、それ以外では規制の発端となった仙台市や長野市も問題になっていた。今からは想像つかないだろうが、スパイクタイヤが原因の粉塵はものすごくて、向こうがかすんで見えないほどで、現在問題になっている黄砂以上のレベルだった。とくに仙台市は「仙台砂漠」と呼ばれるほどで、当然、粉塵は呼吸によって人間の体内にも入って有害なため、禁止されるのは当然のことだった。
ただ、現在も輸入品や自分で打ち込む用のピンが売っていたりと、完全に抑え込んでいる状態でもないのが実際のところ。あとはマナーによるしかないのだが、健康被害にもつながるだけに、走りやすいからいいというだけで使うのは避けたい。