ユーザー車検より基本点検料や手数料、部品代などが上乗せされる
クルマの維持費のなかで、車検費用が占める割合は小さくない。2年に一度(新車は3年に一度)、10人ぐらいの諭吉さんとお別れしなければならなくなる。
その車検には、ディーラーに頼むのと、カー用品店や民間整備工場、車検専門店に出すのと、自分で運輸局の検査登録事務所に持っていくユーザー車検の3つのやり方があるが、一番頼りになるはずのディーラー車検は費用の面で高いというイメージが定着している。
なぜディーラー車検は高いのか。
車検には、法定費用といってどこで検査を受けたとしても、印紙代(検査手数料)、自動車重量税、自賠責保険料は必要で、この金額は安くなりようがない。金額的に違いが出るのは、法定費用以外の整備点検費用の部分になる。
ユーザー車検の場合、自分で点検をおこない、とくに部品を交換しなくても車検に合格できるコンディションであれば、法定費用以外の出費はゼロになる。
一方、ディーラーや民間車検場などの場合は、まず基本点検料と手数料が上乗せされる。
民間車検場は、ディーラーを基準に、『安さ』や『早さ』を売りにしているケースが多いので、基本点検料が比較的割安だ。
そして整備で必要な部品も、ディーラーは当然純正部品を使用するが、ディーラー以外の工場では純正同等の社外部品、いわゆる優良部品を使ったり、リビルド品を使ったりした上、部品代を定価ではなく値引きしてくれることがある。
さらに、整備に対する考え方にも違いがあって、ディーラーでは次回の車検=2年後まで、安全に走れることを基準にしており、この先2年間はもちそうもない部品は、現状で保安基準をクリアしていたとしても、「予防整備」という考え方で交換するのが一般的だ。