かつては樹脂で黒いドアミラーが主流だった
いまでは信じられないかもしれないが、かつてドアミラーは樹脂のブラックそのままが当たり前の時代があった。その後、ボディ同色に仕上げることが当たり前になっていったが、最近ふたたびドアミラーが黒いモデルが増えているような気がしないだろうか。
コンパクトカーでいえば、トヨタ・ヤリスやスズキ・スイフト、日産ノートなどではブラックルーフで、ピラーも黒くした2トーンカラーを選ぶとドアミラーもブラック仕上げになっている。
ヤリスの場合はホワイトルーフを選ぶと、ピラーもドアミラーもホワイトになるのでカラーの統一感がその狙いといえる。
スイフトの場合はどのボディカラーを選んでも基本的にはブラックのピラーとなるが、モノトーンボディの場合はボディ同色のミラーになっていたりする。やはり、こちらもルーフ色との統一感を狙ったものと捉えるのが妥当だろう。
このトレンドは軽自動車でも起きている。日本一売れている軽自動車、ホンダN-BOXにおいてもブラックルーフの2トーンボディではドアミラーがブラックとなっているのだ。
では、ブラックのドアミラーはブラックルーフとの組み合わせ限定で意味があるのかといえばそういうわけでもない。
それがドアミラーを目立たせないというものだ。
新型車のアイデアスケッチなどではドアミラーのような保安基準部品は描かれないこともあるが、ともすればドアミラーという突起物はスタイリングのよさをスポイルしてしまうというのも、その理由だ。もちろん、デザインという意味ではドアミラーの形状に意味を持たせることは重要だが、なかにはドアミラーがないほうが良さを引き出せるスタイリングがあるのも事実だ。
そうしたときにドアミラーをブラックアウトすることで、サイドウインドウに溶け込ませて、その存在を目立たせなくするという視覚的効果を利用したテクニックは以前よりあったりするのだった。