EV通の間ではi-MiEVの価値が見直されている!
一方、今日となっては、急速充電器を含め充電の社会基盤整備が進み、またEVの体験者も増えたことにより、i-MiEVの価値が見直されつつあるといえる。そして中古車市場では、車載バッテリー量を減らしたMグレードがEV通の間で高い評価を得ている。こちらは、東芝製のSCiBと呼ばれるリチウムイオンバッテリーを搭載しており、その劣化が非常に少ないことが評価されているためだ。
EVでは、リチウムイオンバッテリーの劣化は避けられない。しかし使い方によっては、充電基盤の整備が進めば補うことはできる。劣化の少ないバッテリーは貴重な存在だ。まさしく開拓者として苦労を重ねた三菱自の知見は、リーフの経験はあっても、軽EVの実績のない日産にとって、IMkの市販へ向けて大いに役立つだろう。
そして、日産と三菱自の両社が揃って新しい軽EVを来年投入すれば、EV普及の地図も大きく変わる可能性がある。補助金を視野に入れてのこととはいえ、200万円以下で販売されるのではないかと噂がでているからだ。当然、車載バッテリー量の制約を受けているはずだが、今日のバッテリー制御を用いれば、充電の社会基盤と併せて、軽自動車として十分に実用性が確保される可能性がある。三菱自が、開発期間からすれば15年にも及び費やしてきた苦労が、来年花開くことになるだろう。
また、i-MiEVのモーターやバッテリー技術は、ほぼそのままアウトランダーPHEVに活かされ、エクリプスクロスPHEVという広がりも得て、三菱自の販売の核となっている。三菱自のi-MiEVでの挑戦と苦悩は、独自のモデルチェンジを迎えずとも、十分に役目を果たしているといえるのではないか。