新しい日産デザインを採用 総合性能の高さが光る一台
試乗&リポート
自動車研究家
山本シンヤ
自動車研究家。国内外の新車技術を始め国内ワークスブランドにも造詣が深い注目の若手ジャーナリスト。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員を務めている。
8年ぶりにフルモデルチェンジされた日産ノート。ヒットモデルの後継はキープコンセプトになりがちだが、今回は「すべてを刷新」という攻めの姿勢である。
エクステリアは薄型ヘッドライトと一体の新Vモーショングリル、シンプルでクリーンな造形、踏ん張りのあるリヤスタイルと先に発表された「アリア」と共通性を持った堂々としたスタイルが特徴だ。
インテリア最大の特徴は、メーターとセンターディスプレイが一体の統合型ディスプレイとブリッジタイプのロングコンソールだ。これに加え、操作感の統一など細部まで徹底した作り込みも行われており、その結果シンプルで質感の高い空間を実現している。
パワートレインは1.2Lエンジンで発電した電気でモーターを駆動する「e-POWER」だが、モーター/制御などは第2世代へと進化。実際に乗ると力強さはもちろんだが、それ以上に滑らかさと静かさのレベルが違うのだ。これは巧みな充電制御のおかげだが、普通に乗っているとエンジンの存在はほとんど感じない。アクセル全開時でも体感的にはエンジンが遠くで回っているイメージな上に音色に雑味がない。ドライブモードは3つ用意されているがECOでも余裕のパワーで、スポーツだと応答性/加速感がその名の通り力強く元気な特性に変わる。
先代モデルで好評だったアクセルのオン/オフで加減速が可能な「e-POWERドライブ」も進化。アクセルオフ時の減速Gは先代と同じだが、実際に試してみるとまるで上手なドライバーがブレーキ操作しているような、自然で滑らかな制御になっている。完全停止はブレーキを踏む必要があるが、クリープ現象がプラスされたことで駐車時でも扱いやすくなっているのだ。
フットワークは新プラットフォーム採用で基本性能が大きく向上。街中ではコンパクトサイズと4.9mの最小回転半径を活かした取り回し性の良さが光る。ワインディングではレスポンスの良いリニアなハンドリングで好印象。また、高速道路ではコンパクトカーを感じさせない高い直進安定性と落ち着きある重厚な乗り味、走るシーンによってさまざまな顔を見せる。
先進感あふれるインテリア
インストルメントパネル
センターディスプレイと一体化したメーターを採用したインパネ。新しいシフトレバーやブリッジ型のセンターコンソールなどに斬新な意匠を採用。
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シート
先代モデルで好評だった居住空間は新型ノートも継承している。
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さらにこのクラスでは珍しい後席リクライニング機能も嬉しい装備のひとつである。
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ラゲッジ
ラゲッジ開口部は広く使い勝手がよい。また荷室幅もたっぷりでたくさんの荷物を収納することが可能。分割可倒式の後席を倒せばさらに広くなる。
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ユーティリティ
左右のカップホルダーは紙パックにも対応の大型サイズ。
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ブリッジ型のセンターコンソール下は小物が置きやすい。
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上はスマホのワイヤレス充電可能スペースとなる。
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新しくなった第2世代e-POWERを搭載
パワーユニット
モーターとインバーターを刷新した第2世代e-POWER。モーターは先代モデルと比較してトルクを10%、出力を6%向上させた。インバーター本体は40%の小型化と30%の軽量化を実施。
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ドライブモードは「SPORT」「NORMAL」「ECO」を選べる。SPORTとECOにはクリープ機能があり駐車場などでも乗りやすい。
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基本性能が進化したことにより先代モデルより飛躍的に走りの質感がアップした。全体的に落ち着いた乗り味でe-POWERの性格とマッチしている。
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