最新技術を応用した部品復刻のラインアップ拡大に期待!
ニッサン・モータースポーツ・インターナショナルは、現在も世界中のファンに支持されるスカイラインGT-R(BNR32/BCNR33/BNR34)向けの純正補修部品を復刻した「NISMOヘリテージパーツ」のラインアップに、新アイテムを49品追加した。今回はBNR34用が多く35アイテム、BNR32とBCNR33がそれぞれ7アイテムずつとなっている。
BNR34向けは、象徴する前後ディフューザーをはじめ、フェンダーやリップスポイラーといった大物外装品も復刻。レストアしたいと考えている人には朗報だろう。そのなかでも、今回注目したいのが、日産自動車と共同開発となるBNR32用リヤパネルとハーネス用プロテクターだ。
どちらも日産自動車が開発した新技術を応用。リヤパネルは、ボディパネルの少量生産に対応する対抗式ダイレス成形と呼ばれる技術を用いている。棒状の工具を取り付けたロボットが、パネルを徐々に変形させて成形する「インクリメンタル成形」という技術を応用。成形工具を対向側にも配置したことで、複雑な形状の成形も可能となっている。
この対向式ダイレス成形工法のほか、鏡面化ダイヤモンドコーティング工具による無潤滑加工をベースに、熟練作業者がもつ板金のノウハウを盛り込んで試作を重ねている。サプライヤーとも連携したことで、自動車部品に求められる高い品質も確保しているという。
もうひとつのハーネス用プロテクターは、SOLIZE株式会社と共同開発した3Dプリンター技術を応用。ハーネス本体を製造するサプライヤーと協力し、3Dプリンターの性質に合わせた部品の再設計と性能試験を実施し、厳しい純正部品としての品質基準を短期間でクリアし商品化されている。
単純に当時の部品を復刻するだけでなく、最新技術も応用して現代に蘇らせるNISMOヘリテージパーツは、第2世代GT-Rユーザーにとってまさに生命線。今後もラインアップの拡大と、納期が長期化してでも安定した供給に期待したい。