運転席だけでなく車内全員が疲れてしまうこともある
5)ペダルレイアウトが悪い
5つ目は、ペダルレイアウトが悪いクルマです。これは多くの人が、言われて確認してみるまでは気がつかないのですが、運転席に座って右足をアクセルペダルにのせ、左足をフットレストにのせてみてください。その姿勢は、背骨がまっすぐに伸びた姿勢でしょうか?
じつは、骨盤から下が不自然に斜めになっていたり、下半身だけ右に寄りすぎていることも多いのです。これはボディサイズが小さいクルマや、もともと左ハンドルのクルマを日本仕様の右ハンドルに直しているクルマによく見られるのですが、座った姿勢に対して両足がスッと自然に伸びた位置にペダルを配置するスペースが取れず、右に寄ってしまっている場合や、左ハンドルから右ハンドルに変更したためにメカニズムの都合でペダル位置が決定されている場合。不自然な姿勢のまま足を動かしていれば、そりゃヘンな疲れが溜まりますよね。それを防ぐためにも、購入前に運転ポジションのチェックは必須です。
6)ノイズが聞こえる
6つ目は、走行中などの室内にずっと何かしらのノイズが聞こえているクルマです。エンジンをかければエンジン音、速度を出せば風切り音やロードノイズといった雑音は、どうしても少なからず耳に入ってくるものですが、自分ではなんとも感じていなくても、そうした音は知らず知らずのうちに疲労を与えているといいます。
それをなくすため、クルマを開発する際にはボディのあちこちに防音材などを施して、なるべく室内に入らないように、静粛性を高める努力をするのですが、やはりコストには限りがあり、防音材を入れすぎると重量もアップしてしまって燃費などに響きますので、完全に消すことは難しいんですね。最近は、そうしたノイズとの兼ね合いを計算しつくして音楽を良い音で聴かせるようにしたサウンドシステムなどもたくさん出ているので、ノイズではなく耳に心地いいと思える音を聞くようにしたいですね。
7)振動が多い
7つ目は、振動が多いクルマです。これは乗り心地の良し悪しとも関係してきますが、つねに路面からの振動が身体に伝わっていると、ストレスや疲労は蓄積されていくものです。もちろん、道路の上を走っている以上、どんなに小さくても振動というのは発生するのですが、それが大きいと座っている人は無意識のうちにその姿勢を保とうとして、体のあちこちに力を入れています。上下や左右の揺れに対処すべく、足を踏ん張ったり手でどこかをつかんだり、といった場面もあり、だんだんと疲れて不快に感じてくるものなんですね。
前席は良くても、後席に座った途端にびっくりするくらい乗り心地が変わり、不快な振動が多いクルマもあるので要注意。大きなギャップを乗り越えたときに、その振動が一発で収まるのか、揺れが続くのか、というところでも疲労感が変わってきます。タイヤやサスペンションで改善することもありますので、もし気になるようならプロに相談してみましょう。
8)バックで駐車しにくい
8つ目は、バックでの駐車がしにくいクルマです。自分では白線に対してまっすぐに駐車したつもりなのに、降りて外から見てみるといつも曲がって停まっている、ということってあるんですよね。これはクルマのデザインにも関係しており、ホイールあたりが張り出しているスポーツカーのような、抑揚のあるデザインのクルマほど曲がって駐車してしまうことが多いのです。ハイエースのようにボックス型で直線基調のクルマは、平行感覚が掴みやすいですが、抑揚のあるデザインは掴みにくいというのも一因。
曲がって停まっていることをまったく気にしない人もいますが、日本人はたいてい、気にしてしまってそれがストレスになりがち。車庫入れのしやすさを考慮して、なるべく直線基調のデザインを選ぶか、デザイン優先にするなら少しくらい駐車で曲がって停まってしまっても気にしないのがいちばんです。
というわけで、無意識のうちに乗っていて不快になるクルマのポイントをご紹介しました。たぶんコレかな、と原因がわかった人も多いのではないでしょうか? デザインは変えられませんが、購入後の今からでも改善できるポイントもありますので、ぜひ試して快適なクルマにしてみてほしいと思います。