自動車の任意保険に加入していれば安心とは限らない! 覚えておきたい「適用外」の項目とは

インターネット保険は条件などしっかり事前確認することが大事

 万一の自動車事故に際し、自動車賠償責任保険に加え、任意の自動車損害保険に加入していれば補償が得られると考えるのが普通だが、保険金がおりない事例もあることを知っておく必要がある。

 まず、飲酒や麻薬を服用しているときの事故には保険金がおりない。また、無免許運転での事故も同様だ。そもそも違法行為なのだから、当然と言えばそうだろう。一方で、被害者に対する補償は行われる。ただし、対人や対物補償は他人に対して支払われる保険金なので、父母・子ども・配偶者は対象外となる。また、故意に起こした事故でも支払われない。

 また、地震・噴火・津波・戦争・内乱・暴動などは免責事項として扱われており、やはり保険金の支払いはない。一方、台風・洪水・高潮などでの車両保険の適用は行われるが、翌年には等級がひとつ下がることになる。

 最後に、事故後60日以内に保険会社などへ報告していないと適用外になる。めったにないかもしれないが、事故後にまずは保険会社や代理店へ一報することが肝心だ。

 ほとんどの事例は事前にある程度想像できる免責事項かもしれないが、身内が相手だと対象外になる点は気づかないかもしれない。契約書に目を通したり、代理店に相談したりするなど、一度は念の為賠償内容を確認しておくといいだろう。

 自動車損害保険の見直しをするなら、いつがいいのか。年間契約の途中で条件を見直すことはできる。ただ、満期日の何カ月も前に解約し、別の保険契約をする際には、これまでの契約の解約金が必ずしも月割り日数通りに戻らない場合もある。

 これは、短期率という考えのもと、解約月に対する変換利率が定められており、たとえば半年後の6カ月までで解約する場合には、70%の短期率によって解約金は総額の30%と計算される。半額は戻るだろうと勘違いして、割安な損害保険へ移行しようとしても、自分の想定の20%分は損をすることになる。場合によっては、割安の保険代に替わっても、損を出してしまうかもしれない。保険の仕組みを理解したうえで、得な保険料を検討すべきだろう。

 ところで、ネット保険は全般に割安になるという宣伝を耳にすることが多いのではないだろうか。これは、代理店という中間の経費を省いているためで、その分が安上がりになるのであって、保険内容が乏しくなるという意味ではない。それでも、補償内容は自分で精査する必要があり、自ら学ぶ(調べる)ことが、割安で補償を受ける条件になる。もちろん、電話相談やインターネットで検索することは可能なので、手間を惜しまなければ割引を得られる選択肢があるということだ。

 一方、個別に相談できるのが代理店という専門家と付き合う利点にもなる。家族や友人なども運転する機会がある、あるいは業務でも利用することがあるなどで、人数の制限や年齢条件、またクルマ利用の条件などによって保険料が増えたり安くなったりするので、細かく相談したい場合は代理店を通すことで安心して加入や更新できるだろう。


御堀直嗣 MIHORI NAOTSUGU

フリーランスライター

愛車
日産サクラ
趣味
乗馬、読書
好きな有名人
池波正太郎、山本周五郎、柳家小三治

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