側面衝突の衝撃を受け止めることもできる機能も登場
3)アクティブサスペンション
そんな新型メルセデスベンツSクラスには、すでにアウディA8で実現しているとんでもない安全装備が組み込まれている。それは側面衝突に備えるアクティブサスペンションだ。アウディではプレセンスサスペンションと呼ばれ、走行時の制御はもちろん、車体360度を常時センシングしているセンサーが側面衝突を避けられないと判断すると、0.5秒以内に衝突が避けられない側のボディをエアーサスペンションによって最大80mmリフトアップ。より強固なサイドシル部分で衝撃を受け止めるという安全機能。ボディをリフトアップしない場合に対して衝撃を最大50%軽減してくれるというのだから安心だ。
新型メルセデスベンツSクラスでも、E-アクティブボディコントロールサスペンションと、ネーミングは異なるものの、同様の装備が用意され、同時に前席に内蔵されたドア側のエアバッグも展開するというのだから完璧である。
近未来、そうしたリフトアップ機能を進化させ、衝突が避けられない場合、ボンドカーでシートが飛びあがるように、クルマそのものが宙に浮いて回避できるようになるかもしれない……。
4)生物兵器防衛モード
最後に紹介するのは、ちょっと非現実的な装備と言えるかもしれない、テスラの生物兵器防衛モード。テスラでは大気汚染から乗員を守るHEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルターシステムのほか、車内で軍事レベルの生物兵器による攻撃を避ける「生物兵器防衛モード」機能まで有しているというのだからすごい。
ちなみに、このHEPAフィルトレーションシステムは、車内の空気を完全に洗浄してくれるだけではなく、その数分後、車の外気まで洗浄しはじめ、PM2.5レベルを40%も下げたという検証結果もあるという。これは、生物兵器からの防衛という極端な場面(軍事車両にはうってつけだ)だけでなく、空気が極端に汚染された地域での移動、あるいは無菌室状態の移動を必要とされる患者の搬送にも適していると思える。