「しょせん軽自動車」の不安もあり! 軽スポーツは本当に楽しいのか?

パワーだけが楽しさの物差しではない!

 クルマ好きであればスポーツカーに憧れを抱く人は少なくないだろう。しかし、維持費の面や使い勝手、特に家族がいれば2シーターや2+2が主流となるスポーツモデルはどうしても選択肢に入れることは難しいという現実問題に直面してしまう。

 もちろん、ファミリーカーとスポーツカーの2台持ちができれば最高だが、やはりこちらも維持費の面でハードルが高いというのが正直なところだろう。

 しかし、価格も比較的手ごろで自動車税などの負担の少ない軽自動車であれば、セカンドカーとしてのハードルも下がるため、スポーティな軽自動車を検討する人もいるかもしれない。

 ホンダS660のように、軽自動車でありながらMRレイアウトを採用したマイクロスポーツカーから、実用車のスズキ・アルトをベースとしたホットモデルのアルトワークスまで、バリエーションも豊かで使う側に合わせて選ぶこともできるのだ。

 そこで気になる点がひとつ。それは本当にスポーツカーとして楽しめるのか? という点だ。

 そもそも軽自動車は皆さんご存じのとおり、ボディサイズと排気量が決められており、最高出力も自主規制値が撤廃された普通車とは異なり、いまだに64馬力という自主規制値が残ったままだ。

 そのため、ターボモデルであればスポーツモデルのS660であってもファミリーカーのホンダN-BOXであっても最高出力は同等。そう考えるといくらスポーツモデルとはいえ、軽自動車では楽しめないと思われるかもしれない。

 だが、その心配は杞憂と言えるだろう。パワーだけを考えれば300馬力オーバーの出力を誇るトヨタ・アルファードの3.5リッターモデルが上だが、132馬力しかないマツダ・ロードスターのほうが楽しいと感じる人が圧倒的に多いことからもわかるように、パワーだけが楽しさの物差しではないからだ。

 そして当然ながら一般公道を走行する上では、パワーのあるクルマもないクルマも平等に制限速度などが決められている。そう考えると制限速度に達するまでに思いっきりアクセルを踏み込むことができるローパワーなモデルのほうが、クルマを走らせている感を強く感じることができるハズだ。

 また、サーキット走行などをする際も、パワーがないクルマはひとつのミスが大きなタイムロスに繋がってしまうため、ハイパワー車とはまた違った難しさがある。そのうえでモアパワーを求めるのであれば、軽自動車でもさまざまなチューニング手法があるため、そういった面での楽しさも含め、普通車と同じように楽しむことはできると言えるのだ。


小鮒康一 KOBUNA KOICHI

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愛車
日産リーフ(2代目)/ユーノス ロードスター/マツダ・ロードスター(2代目) /ホンダS660/ホンダ・オデッセイ(初代)/ 日産パルサー(初代)
趣味
長距離ドライブ
好きな有名人
ザ・リーサルウェポンズ

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