2ドアクーペは警察車両として運用しづらいという側面もある
警視庁や各地の道府県警が導入するパトロールカーであれば、そうした維持費も考慮して予算を組むことができるが、寄贈される高額車の場合はそういうわけにもいかない。結果として日常的な運用は難しくなり、おのずとイベント専用といった位置づけになりがちなのだという。
かつて国費で導入したマツダRX-7(FD3S)のパトロールカーについても新潟県警などに現存しているが、各種イベントを中心とした活用になっている。このあたりも年式が経ってきたこともあってメンテナンスの維持費が増えてきたという影響もありそうだ。
そもそも論として2シーターや2ドアクーペのパトロールカーは実際の取締りでは使いづらい存在だ。通常、交通違反で捕まったドライバーはパトロールカーの後席で、いわゆる違反キップにサインをすることが多い。そのため、後席が極端に狭い2ドアクーペはパトロールカーの業務を考えても実用的ではないのだ。そうしたこともイベントやパレードなど華が必要なシーンでの活用がメインになる理由だろう。
では、ハイパフォーマンスなパトロールカーは存在しないのかといえばそういうわけではない。最近では埼玉県警がSUBARU WRX S4(300馬力)を覆面パトカーとして導入して自動車専用道路での取締りに活用していたり、また警視庁がスーパーチャージャーで360馬力までパワーアップしたトヨタ・マークXモデリスタ+Mを導入していたりする。
このあたりの選定は、一見して覆面パトカーに見えづらい車種という理由がありそうだ。そして、維持費も考慮しての導入であり、また4ドアモデルだけに前述したようなネガもない。そのため日常的に取締りに活用することができるのだ、くわばらくわばら。