トラックやバスはハイブリッド化が進んでいる
トヨタ・ハイエースや日産キャラバンNV350など「はたらく自動車」は、いい意味で枯れた技術というか、耐久性に優れたテクノロジーが優先して搭載されている印象がある。具体的にいえば、トランスミッションはMTが中心で、ATであっても実績にあるステップATが採用されることが多い。もちろんハイブリッドなどもってのほかといったムードになっている。なにしろハイエースは10万km走行したからが本領発揮といわれるほどの耐久性を求められているのだ。
とはいえ、商用車にハイブリッドが普及していないのかといえば、そうでもない。ハイエースと並ぶ、トヨタ商用車の基幹モデルである「プロボックス」には、プリウスやアクアで熟成を重ねた1.5リッターハイブリッドを積んだグレードが設定されている。そのアクアやカローラにしても営業車としての活用例は多く、ハイブリッドであってもハードなビジネスユースに対応できるだけのタフさは身に着けているといえる状況だ。
よく言われることだが、ハイブリッドカーとエンジン車の価格差を埋めるには10万km以上は走らないといけないという。そのため一般ユーザーでは実質的には元は取れないといわれることもあるが、過走行が前提といえるビジネスユースであれば、ハイブリッドによる価格上昇分は維持費(燃料代)によって十分に元が取れることが期待できるのだ。
とくにバスやトラックといった燃料代が高額になるカテゴリーでは、そうした省燃費のメリットは大きく、路線バスから大型トラックまで幅広くハイブリッド化が進んでいる。そのトレンドも当初はモーターアシストによる省燃費を狙うマイルドハイブリッド的なものが多い印象もあったが、徐々に電動領域を広げていく方向に進んでいる。
たとえば日野自動車の路線バス「ブルーリボン」は、90kWという高出力モーターにより発進が可能になっているほどだ。エンジンの負荷が大きく燃費への悪影響が多い発進時をエネルギー回生によって得た電力で走れるようになれば燃費改善効果が大きく期待できるのは言うまでもない。基本的にストップ&ゴーで運用される路線バスであればなおさらであろう。