業者によってはボラれてることも! 「車両本体価格」と「支払い総額」の差額の正体とは

中古車は価格の表示が複雑なところもある

 最近、ニュースにもなったのが中古車での過剰見積もりで、購入者が必要としていないものも計上して、過剰に利益を得ようというもの。必要としないというのは、コーティングやアクセサリー類などで、もちろんレベルが高いものや質がいいものを厳選してオススメというわけではなく、作業内容や本来の価格などがよくわからないものが多い。

 これは新車でも見かけることがあり、「ボディコーティング10万円でぜひどうぞ。値引きは10万円頑張らせていただきます」という、結局は行って来い。ちなみにボディコーティングをススメられることが多いが、いくらでも手が抜けるのと、新車の場合、塗装の状態がいいので磨きが不要など、作業が楽というのが背景にある。

 とはいえ、新車の場合はわかりやすいが、中古車の場合はいわゆる一物一価で、それぞれ条件や状態が違っていて、わかりにくいこともあるため、トラブルになりやすい。そもそも車両本体価格と支払い総額、パッと見簡単なように見えてじつけっこう複雑だったりする。

 まずは車両本体価格からだが、単純にクルマだけの価格と思いきや、現状引き渡しや整備なしと明記されている以外は販売状態にする整備などはここに含まれる。取引について定めた公取協規約でも「現状渡し販売以外では、保証付き/なしにかかわらず整備費用を店頭渡現金販売価格(現金販売価格)に含める」と定めているので、別途、整備費用などを見積もりに入れてはいけない。

 また紛らわしいのが車検切れの車両で検2年付きとある場合で、知らないと車両本体価格を払うと車検2年分が付いてくると思いがちだが、これは2年車検を取って納車されるのではなく、車検を取るための整備代金が含まれるというだけなので、注意が必要だ。

 いずれにしても別途希望する以外は除いて、商品としての整備は車両本体価格に含まれていて、諸費用は税金などの法定費用と代行手数料で、これと車両本体価格をプラスしたものが一般的に支払い総額と呼んでいる。つまり希望しなければ、コーティングも別途整備も諸費用には含まれないことになる。パーツの取り付けも含めて、別途なにかプラスしたい場合は支払い総額とは別に、見積もりに計上されることが基本とされる。

 この点を明確に把握しておかないと、これも必要、あれも必要ということで、どんどんと見積もりに上乗せされて、支払い総額はこれだけとされることもあるので、注意したい。


近藤暁史 KONDO AKIHUMI

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