フリート販売の鈍化に半導体問題! 不安要素が影を落とす「新車販売」のいま (2/2ページ)

積極的に自社登録して未使用中古車を流通させる動きもある

 興味深いのが、2020年2月と2019年2月の販売台数(含軽)を比較すると、2020年2月は2019年2月に対し、約89%となっている。2020年2月は、まだ2019年10月の消費税率引き上げによる販売苦戦を引きずっていたのだが、今回の新型コロナウイルス感染拡大が市場に与えるインパクトが想定以上に大きくないことを統計数字が物語っているといってもいいだろう。かえって、消費税率引き上げのほうがインパクトは大きいようにさえ見えてくる。

 3月については、2020年3月はすでに新型コロナウイルスの感染拡大の影響が出始めている。そのなかで2021年3月は前年実績をどれぐらい上まわることができるかが興味深いのだが、事業年度末となる3月は、例年では法人ユーザーなどのフリートセールスが実績に大きく影響している。現状の新車販売ではフリート販売が、好調な小売の足を引っ張っているともいえるので、それがさらに顕在化してしまう恐れもある。登録車全体では、バスの大幅な販売落ち込みの短期的な回復は望めないので、好調なそのほかの車種でどれぐらい販売台数を増やすかがカギとなってくるのだが、世界的な半導体不足という新たな不安要素も、どれだけ影響を与えるかも気になるところである。

 ただ、新車販売より中古車のほうが好調であり、なかでも登録済み(軽は届け出)未使用中古車はさらに活発に売れている。通称名(車名)別ランキングでの販売台数争いのためもあり、在庫状況次第では、いつにも増して軽自動車が活発な自社届け出を行ってくことも考えられる。

 また、情報では年が明けてからアルファード全体の中古車相場が上昇に転じているとのこと。専門家によると。「アルファードは4月末に改良を予定しているとのことなので、在庫車を自社登録し、登録済み未使用中古車として活発に中古車市場に流通させているようです」とのことなので、自社登録(軽は届け出)でフリート販売減をリカバリーしてしまうということが起こることも十分考えられる。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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