非エンジン車が増えると手に入りにくいパーツが出てくる可能性も
2030年にはすべての新車を電動化にするべく計画があるということで、旧車オーナーにとっては気が気でない日々が続いているかもしれない。
といっても、あくまで新車販売されるクルマに限ったことであり、それまで存在している純内燃機関車がすぐに乗れなくなるということはないだろうから、趣味性の強いクルマを愛でているユーザーもそこまで不安になる必要はないだろう。
しかし、徐々にエンジンを搭載したクルマが減っていくことで、手に入りにくくなる可能性のあるパーツも出てくるかもしれない。たとえば現在では主流となった平型ヒューズだが、一昔前の旧車にはガラス管ヒューズが使われることが一般的だった。
現在でも一部の電化製品などにはガラス管ヒューズが使用されることもあるため、ホームセンターなどに行けば比較的容易に入手可能だが、逆にカー用品店では在庫をしていない店舗も出てきているのである。
この流れで行くと、真っ先にカー用品店から消滅しそうなのは、灯火バルブ類ではないだろうか。最近のモデルでは省電力かつ圧倒的な明るさを持ち、省スペースであるからデザイン性にも富んだLEDヘッドライトが採用されることが多い。
LEDヘッドライトはそもそも長寿命であるから、ヘッドライトバルブ交換という作業自体が過去のものになるのも時間の問題かもしれない。実際、規格ライトと呼ばれる丸型、もしくは角型のシールドビームなどは一部で生産が終了しており、気軽に購入できないものになりつつあるのだ。
また、エンジンを搭載しないクルマが増えてくると、当然ながらエンジンオイルやオイルフィルター、そしてオイルや燃料にプラスする添加剤系も徐々に売り場から姿を消しはじめるかもしれない。
当然電動車にはハイブリッドカーも含まれるため、我々が健康にクルマに乗れる時代の間は完全にこれらのものが消滅することは考えにくいが、旧車などに向いている粘度の固めのオイルなどは在庫を持たない店舗も増えてくるのは間違いないだろう。
そしてなによりも不安なのが、メーカー側も電動車への乗り換えを推し進めるがあまり、旧型車の部品供給が滞ってしまうという事態だ。さすがに意図的に供給を絞るとは考えにくいが、旧型車に乗るユーザーが減少すれば、当然ながら部品の供給も徐々に減ってきてしまう。
そんな日が来ることは信じたくないが、乗り続けるために必要な部品は今のうちからコツコツと買い集めておくことが間違いない方法なのかもしれない。