クルマの落下事故が発生! 経年劣化した機械式立体駐車場がもつ危険とは

メーカーが推奨する定期交換時期を超えて使用されているケースも!

 東日本大震災からちょうど10年。

 全国の道路橋の約40%は建設後50年以上経過していて、全国で1400近い橋が「危ない橋」といわれている。そうした橋梁のほか、トンネル、河川管理施設等、社会インフラの多くが老朽化し問題となっているが、身近なところでは、マンションの機械式立体駐車場でも経年劣化によるトラブルが多発している。

 国土交通省によると、2017~19年度クルマを載せるパレット(駐車台)が落下した事故が11件ほどあったという(内、人身事故は1件)。

 原因は、パレットを昇降させるワイヤロープの破断や、パレットを動かすモーターのトラブルとされるが、それより問題なのは不具合を起こした機械式駐車場はメーカーが推奨する定期交換時期を約1~約10年超えて使用されていたという点だ。

 トラブルを起こした立体駐車場は、国交省の指針どおり、3カ月に1度の定期点検はおこなって、保守点検業者からは、マンションの管理組合にその他の機器と合わせて交換を推奨していたとのこと。

 しかし、管理組合側は交換の必要性を十分に認識しておらず、結果として先延ばしになってしまっていたようだ。

 こうした事故を受け、消費者庁の消費者安全調査委員会から、国交省に機械式立体駐車場の点検項目を見直すよう提言されたが、まずはマンションの住人、駐車場の利用者がリスクを把握し、きちんと予算と計画を立てておくことが肝要だ。

 大規模なメンテナンスとなると、負担する費用も大きくなるだろうが、自分や家族が故障したパレットで挟まれ死傷したり、愛車が落下したり潰されたりしてからでは遅いので、まずはメーカー推奨の定期交換時期を遵守するよう、積極的に管理組合に働きかけてはどうだろうか。

※写真はすべてイメージ


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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