高速走行の機会が多いならハイト軽を選ぶメリットは大きい
3)ホンダN-WGN
ホンダの2代目N-WGNもいいクルマだ。「ニューシンプル」をテーマにした標準車の顔つきはほのぼのとしていて、親しみやすさ抜群。随所に丸をモチーフにしたデザインがちりばめられているのもエクステリアデザインの大きな個性となる。そしてホンダの軽自動車としては初めて電子パーキングブレーキを採用し、ACCもついに渋滞追従機能を手に入れ、先進運転支援機能を飛躍的に向上させている。ホンダ・センシングの機能全体がアップグレードされているのはもちろんである。
走行面でもステップダウンシフト制御、カーブでの横Gを検知し、ギヤをキープするエンジンブレーキアシスト機能なども盛り込まれ、さらなる安心・安全なドライブが約束されるのだ。
使い勝手面も文句なしだ。ハイトワゴンとして、ホンダ独創のセンタータンクレイアウトによる室内の広さ、シートアレンジ性の良さも見逃せないポイントで、上下2段で使えるラゲッジルームのフロアを先代比で180mm! も低くすることで、重い荷物の出し入れが一段と楽になり、同時に容量も24リットル増大。後席は先代同様、センタータンクレイアウトによってごく低く倒すことができ、広大な拡大ラゲッジフロアが出現。後席下の傘などが入るトレーも継承され、日常から荷物満載のドライブまで、使い勝手は抜群といえる。
4)ダイハツ・ムーヴ
そんな魅力的かつ、ダウンサイザーにも薦められる3台と比較すれば、デビューが2014年12月とかなり前のダイハツ・ムーブは、パッケージこそ不満はないものの、シートの快適性、走行性能や足踏み式ブレーキのままゆえにオートブレーキホールド機能が付かないなど、新しいデイズやeKクロス/eKワゴン、N-WGNと比較してしまうと見劣りするのも事実。間もなく登場するはずの、DNGA(ダイハツニューグローバルアーキテクチャー)採用の新型を待ちたいところ。
こうして見ていくと、渋滞時や信号待ちなどでブレーキを踏みつつける必要がないデイズ、eKクロス/eKワゴン、N-WGNの先進性、使いやすさが際立ってくる。デイズに至っては、高級車さながらの安心装備、SOSコールまで付いているのだから、完璧だ。
それはそうと、超人気のスーパーハイト系軽自動車に対するハイト系ワゴンのメリットとして挙げられるのが、横風安定性だ。スーパーハイト系はさすがに背が高く、車幅もないため、ボディの縦横比によって強い横風には弱い。しかしハイト系ワゴンなら、背の低い乗用車ほどではないにしても、横風の影響は(スーパーハイト系と比較すれば)少なくて済む。高速走行の機会が多いなら、ハイト系ワゴンを選ぶメリットがあると言えそうだ。総合的な商品力ではデイズ、走りにもこだわりたいならN-WGNというのが、個人的なセレクトとなる。どちらもツートーンカラーで乗れば、スタイリッシュさ、軽自動車らしからぬ上級感さえ手に入るのだ。