一滴も飲んでなくても逮捕される! 飲酒検問の検査拒否は違反だった

呼気検査の拒否は現行犯逮捕される可能性も!

 2月23日の新聞に『酒気帯びで懲戒免職の元警察官、「飲酒検知拒否」でまた逮捕』という記事が載っていた。

 捕まった男は、今年1月18日に道交法違反(酒気帯び運転)容疑で逮捕された山形県警の警察官で、翌19日に懲戒免職処分になっていたというのも衝撃的だが、2月21日に山形県尾花沢市若葉町の市道で、軽乗用車を運転中、警察官に呼気検査を求められたが、拒否したために道交法違反(飲酒検知拒否)容疑で現行犯逮捕されたとのこと。

 職務質問や検問は『任意』であって、協力しなくてもOKだと思っている人もいるかもしれないが、飲酒検問は話が別。

 道路交通法第67条第3項には、

「車両等に乗車し、又は乗車しようとしている者が第65条第1項の規定に違反して車両等を運転するおそれがあると認められるときは、警察官は、次項の規定による措置に関し、その者が身体に保有しているアルコールの程度について調査するため、政令で定めるところにより、その者の呼気の検査をすることができる」。

 このように定められているので、実際にドライバーが一滴もお酒を飲んでいなかったとしても、飲酒運転の規定に違反して車両等を運転するおそれがある場合は、呼気検査を要求できることになっている。

 そしてその呼気検査を拒んだ場合は、飲酒の有無にかかわらず、飲酒検知拒否罪は成立すると思っていい。

 道路交通法118条の2

「第67条(危険防止の措置)第3項の規定による警察官の検査を拒み,又は妨げた者は,3月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する」が、その根拠だ。

 お酒を飲んでいないのに疑われるなんて心外だと思うかもしれないし、滅茶苦茶急いでいるのに、よりによってなんでこのタイミングで……と思ったりするかもしれないが、呼気検査の拒否はそれ自体が罪であり、現行犯逮捕になる可能性があることを覚えておこう。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

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