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【試乗】新型MIRAIは完成度の高い「高級車」! FCV「だから」を言い訳にしない圧倒的な実力とは (2/2ページ)

【試乗】新型MIRAIは完成度の高い「高級車」! FCV「だから」を言い訳にしない圧倒的な実力とは

センチュリーに次ぐ車格を与えられた

 水素を燃料とするFCV(フューエル・セル・ヴィークル)ミライが、フルモデルチェンジを受けて誕生した。初代がデビューしたのは2014年だから、約6年間の開発期間を経て新型に移行することになったわけだ。

 この6年間で、自動車を取り巻く環境が様変わりした。世界各国が脱炭素化を旗印に、エコカーに秋波を送る。異口同音に、数年後には電気の絡まない自動車の販売を禁止すると宣言している。つまり、時代はEVにまっしぐら。その余波が水素燃料自動車への期待となってのしかかる。

 それを予見したように、ミライはガラリと雰囲気を変えて登場した。ボディは大幅に拡大した。全長は4975mm、全幅は1885mm、全高は1470mm。レクサスLSのフラットフォームを流用していることでもわかるとおり、堂々たる体躯を持つに至った。トヨタブランドとしてはセンチュリーに次ぐサイズ。クラウンよりも格上の位置が与えられたのである。

 新型ミライの使命は、社会への浸透である。先代は初めての量産水素燃料自動車だったこともあり、ケーススタディとしての色彩が強かった。市場に技術をアピールする狙いがあった。数より存在である。だが新型は、一般への普及がミッションのよう。現実的に水素車は、トラックやバスと親和性が高いものの、乗用車としての可能性を秘めている。喫緊の課題であるCO2削減のためには街中にミライを溢れさせる必要があり、一般への浸透が課題なのだ。

 そのために新型ミライは、航続可能距離を850kmまで伸ばした。水素の充填時間はガソリンの給油とほぼ変わらない。航続距離が短いEVは、逆に充電時間が長い。水素ステーションさえ身近にあるのならば、走行中に一切のCO2を排出しない水素燃料電池車は特殊なクルマではないのだ。

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