【試乗】雪道でのフォレスターの頼もしさは別格! ロングドライブで見えた「かゆいところに手が届く」クルマ作りとは (2/3ページ)

スバルの「ゼロ次安全」思想が走りの安心を生む!

 ウインタードライブと言っても関東近郊から例えば降雪地へ向かう長距離移動はよほどの悪天候ではないかぎり高速道路のほとんどが乾いた舗装路。降雪地帯もじつは除雪整備も行き届いているからお天気の良い日が続けば雪の壁はあっても路面はドライ、ところによりウエット。

 さらに山間部を走ればシャーベットや、日陰や時間帯によっては圧雪やアイスという実にバラエティに富んだ路面状況に遭遇するわけで、そんな環境に慣れないビジターにとって雪国への訪問は楽しみだけど運転には気を遣います。そんなときこそ幅広い走行状況に柔軟なSUVであれば疲労度も変わるはず。試乗を終えたときに「フォレスターはこのボディサイズを裏切らないさまざまなクオリティが保たれているな」と実感できた次第です。

 地上高の高さに自分のベストなドライビングポジションを合せることでスバルがこだわる視界の良好さをあらゆる走行シーンでフル活用することができるはずです。大きなガラスエリアに囲まれ、フロントウインドウ両サイドのAピラー(柱)とサイドミラーの間に生まれるわずかながらもときにヒヤッとするほどの死角を生むエリアも小さく抑えられています。このボディサイズや室内の広さから抱くクルマの取り回しに対してスースーするくらいで、安心感が高まるポイントの一つ。

 せかっくなのでさらに加えると、スバルの0次安全思想のなかの死角については社内基準で1m程度の障害物も視認できる設計を追求しているため、助手席側のミラー付近の視界もしかりですがボンネット周辺の安全性もかなり高く保たれています。進化を続けるセンサー系のサポートもありがたいけれど、先ずはベースとなる車両から安全性を高く保ち、その上でスバルならアイサイトのような先進の安全/運転支援技術を備えれば、より安心、というわけなのです。

 というわけで、運転席からさまざまに変化する路面状況も把握しやすく、見落としそうな「こんなところに掃いた雪が集められてるの!?」とか雪に紛れた障害物なども発見しやすくて頼もしかった。

 X-MODEは4輪の駆動力やブレーキなどをコントロールして悪コンディションの路面からのスムーズな脱出を助けてくれる機能。フォレスターはシフトレバーの手前のダイヤルでノーマルをとし、他に2モードが選べます。

 一つは雪道やアイスバーン、砂利に覆われたような状況=“スノー/ダート”、もう一つがタイヤが埋まってしまうような特殊な場面や雪や砂利などで覆われた急な登坂路での発進時に役立つ“ディープ・スノー/マッド”。脱出が優先の機能ゆえ速度20kn/h以下での使用に限られ、役目を果たすとノーマルモードに戻り、通常のAWD走行が駆動力配分を行って走行を継続してくれる。

 圧雪やシャーベットの登坂路で試してみると、じつは今回の場合ではノーマルモードでも何ら問題なく発進できる。さらに“スノー/ダート”は滑りやすい路面でタイヤの空転をいかに抑えてスムースに発進させるための制御を行うためアクセルを踏めば踏むほど「いやいや、そんなにアクセル踏まないで」的な制御が入ります。“ディープスノー/マッド”は今回は試すチャンスがなかったのですが、こちらは逆にトラクションコントロールを一時的にカットしてむしろタイヤをギュインギュインと働かせ、駆動輪をスリップさせて脱出性能を上げる制御を行ってくれるのです。誤って意図せずに雪壁にズボッと、もしくはこ「こんなに深いとは思わなかった」とハマってしまうようなこともあるわけで、そんなときにはこちらのモードを選ぶとよいでしょう。

 では一般道や高速の走行シーンにも触れておきましょう。


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