スーパーカーのルーツはレーシングカー!
スーパーカーの特徴のひとつに、車高の低さというのが挙げられる。
ランボルギーニ・カウンタックLP400の全高は1070mm、ロータス・ヨーロッパが1067mm、ランチア・ストラトスが1114mm、例外的に車高が高いポルシェ930ターボでも1320mm、トヨタ2000GTが1160mmで、童夢 零が980mmだった!
ではなぜスーパーカーはこぞって車高が低いのか。
まず単純に車高の低いスポーツカーはカッコいいから。逆に言えば、ボディがロー&ワイドで、先っぽが尖っていれば、それだけでスポーツカーらしく見えるともいえる。
だがスーパーカーの車高が低い一番の理由は、スーパーカーのルーツにある。
スーパーカーの系譜をたどっていくと、フェラーリ275GTBに行き着くといわれる。275GTBはフェラーリ初の公道専用設計のロードスポーツカー。それまでのフェラーリのロードカーは、レーシングカーをデチューンしたものやレーシングカーのレプリカだった。
もとがレーシングカーなので、運動性能が最優先。シャシーは軽く、重量バランスに優れ、重心が低いことが大前提となる。
とくに重心の位置は、タイヤの接地性に大きく影響し、コーナリング性能を左右するので非常に重要。重心を下げるには車高を低くするのが手っ取り早いので、車高をペッタンコにすることは、レーシングカーのマストとなった。また、空力的にも背の高いクルマは不利になるので、ウェッジ・シェイプが好まれていった。
そして初期のスーパーカーは、フェラーリ275GTBがそうであったように、外観はレーシングカー、中身はロードカーというコンセプトで生まれたので、エクステリアはレーシングカー譲りのペッタンコというのが定着していく。以来、「カッコいいスポーツカーは車高が低い」というのが刷り込まれ、今日までその流れが続いている……。
車高が高いクルマのほうが、乗降性がいいし、視界が広いし、空間も広々で、姿勢も楽。しかし、非日常的で非現実的な造形だからこそクルマを越えた存在「スーパーカー」となるわけで、これからも車高の低さはスーパーカーの条件であり続けるに違いない。