名前は「ヴェゼル」だが別モノ感たっぷり! 正常進化「じゃない」クルマ作りを行ったワケ (1/2ページ)

初代からヴェゼルに関わりブラッシュアップさせた

 グローバルに累計384万台を販売したというホンダ・ヴェゼル。世界的なクロスオーバーSUVムーブメントの追い風を受けたという見方もあるだろうが、時系列でいえばヴェゼルがコンパクトSUVというトレンドを作ったというほうが正解だろう。ホンダは、このカテゴリーのパイオニアといえるのだ。

 2021年2月18日、そのヴェゼルがついに二代目に進化するということで内外装がアンベールされた。今回はスタイリングのみ公開ということで、パワートレインやボディサイズなどのスペックは未公表となっているが、ボディサイズはさほど変わっていないように見える。おそらくセンタータンクレイアウトのプラットフォームも基本設計は大きく変わってはいないと予想できるシルエットだ。

 そんな新型ヴェゼルの開発責任者を務めるのは岡部宏二郎さん。初代ヴェゼルの車体研究領域の責任者(プロジェクトリーダー)を経て、2015年のマイナーチェンジでは商品開発責任者(ラージプロジェクトリーダー、LPL)を務め、その後に新型ヴェゼルのLPLに就任するという経歴の人物だ。すなわち、ヴェゼルについては初代の誕生からマイナーチェンジによるブラッシュアップの内容まで熟知した人物である。

 今回、新型ヴェゼルがスタイリングを公開するにあたり、その岡部さんに話を伺うことができた。

 初代ヴェゼルの開発から関わっていると聞けば、正常進化を目指したのかと思ってしまいがちだが、そうではない。

 岡部さんは「不変のホンダブランドと新しさ、時代のニーズを合わせることにより世界で喜ばれるクルマを作ろうとしたのです」という。

 ホンダのブランド価値の中心となったのは初代シビックだが、スーパーカブやNSX、ASIMOにホンダジェットといったさまざまな要素がホンダらしさを構成しているのだという。そうしたヘリテージにクロスオーバーSUVというトレンドを掛け合わせゼロベースで考え直した。そうして導かれたキーワードが「信頼、美しさ、気軽な愉しさ」というもので、グランドコンセプトである『AMP UP YOUR LIFE』が生み出されたのだという。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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