新たな参戦車両にも注目!
そのため、LMHよりもLMDhはより開発コストを抑制できると言われているが、WECのLMHとIMSAのLMDhは各シリーズのみならず、互いのシリーズに参戦可能である。これにより、近年、WECおよびル・マン24時間レースのLMP1クラスは参加チームが減少していたが、このレギュレーション変更により、再びWECおよびル・マン24時間レースの最高峰クラスが活況を迎えることになりそうだ。
事実、トヨタGAZOOレーシングが「GR010ハイブリッド」を投入するほか、アメリカのコンストラクター、スクーデリア・キャメロン・グリッケンハウスが「グリッケンハウス007LMH」を投入。これに加えてアルピーヌ・エルフ・マットミュートが特例により、LMP1のハイブリッドマシンと投入するなど、2021年のWECには少なくとも3つのモデルが出走を果たす。さらにバイコレス・レーシングチームが「PMCプロジェクトLMH」での参戦を予定するほか、プジョーも2022年のWEC参戦に向けてLMハイパーカーを開発中。
一方、IMSAの次世代モデル、LMDhについてはアキュラが2023年よりLMDhマシンでのIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権への参戦を明言したほか、ポルシェおよびアウディもLMDh規定のレーシングカー開発を発表している。前述のとおり、LMDhもWECやル・マンに参戦できることから、ポルシェやアウディ、アキュラがWECに参戦する可能性は高い。
このようにLMHにしても、LMDhにしてもハイパーカーをベースにしたレーシングカーはコストを抑えて開発できるほか、さまzまなシリーズに参戦可能で、スポーツイメージのブランディングが可能。なかでも、WECおよびル・マン24時間レースはネームバリューが高く、プロモーションに最適な舞台となるだけに再び最高峰クラスに数多くのメーカーが参入するに違いない。