春の桜満開の東京千鳥ヶ淵ドライブデートでは、逆に、「これ聴いてみて」と彼女が持参した、まとめカセットテープを、117クーペのカセットデッキにガチャリと入れることになった。その最初の1曲がパティ・オースティンのデビューアルバム「END OF A Rainbow」(1976/CTIレコード)の1曲目でもある、以来、ボクたちにとって最高の思い出の1曲となった「SAY YOU LOVE ME」(邦題 愛していると言って)である。
車内でパティ・オースティンといっしょに「SAY YOU LOVE ME」を口ずさむ、というか大声で熱唱する彼女の笑顔が、もう数十年前のことだというのに、記憶の中にしっかりと刻まれているぐらいなのである。クルマのオーディオが、カセットデッキから再生されるその1曲が、2人の距離をグッと近づけてくれたことは言うまでもない。
彼女との出会い、そして昭和のクルマデートの成否を左右する、アナログレコードからダビングした、カセットテープから流れる「SAY YOU LOVE ME」が、それからのボクの音楽人生、いや人生を大きく変えてくれた1曲と言っていい。約6分という長さも、じっくりと「愛していると言って」をアピールするのに最高だろう(女の子から、ですが)。昭和のドライブデートに、これほどぴったりな曲はない。どころか、今でも必殺曲になる可能性がある。今でも中古CDで手に入るので、この春のドライブデート用の1曲を探している人は、ぜひ!!