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若者が8人乗りの軽自動車で起こした事故! 運転技量以前に「事故って」当たり前の状況とは (2/2ページ)

若者が8人乗りの軽自動車で起こした事故! 運転技量以前に「事故って」当たり前の状況とは

乗車定員に合わせて安全に走れるよう開発されている

 高齢ドライバーの運転適正について、その是非が論議されていることは広く知られるとおりだ。高齢化による身体機能の衰えが、安全に自動車を走らせる上での大きな障害になるというのがその争点だが、逆に、若年層ドライバーに対しては、運転技量の未熟さを取り沙汰する傾向があるようだ。

 たしかに、運転経験が少ない分だけ運転技量は未熟という言い方はできるのだが、もう少し正確に表現するなら、自動車の動きに対する経験値の不足と言い替えるべきだろう。

 正直なところ、運転技量の巧拙は、免許取得年数に比例するものではない。何年運転していようが、ダメな人はダメであり、上手い人はたちどころに技量を上げているからだ。実際、日常自動車を走らせる上で、運転技量の巧拙が大きな問題となるケースはほとんどない。

 それよりも、やはり効いてくるのは経験値の積み重ねの有無だ。たとえば、定員をはるかに超す人数で乗車した軽自動車が事故を起こした、というニュース報道を耳したこともあるが、これなども運転技量の巧拙が事故に直結した、とは言い難いからだ。

 もちろん、卓越した運転技量であれば、多人数乗車の軽自動車でも、事故を起こさずに済むかもしれないが、なにより軽自動車の運動特性が、物理限界の面で相当危うい状態にあった、という事実のほうが重要である。

 記憶に残る例として、運転免許を取得してから日も浅いドライバーが、仲間と8人で軽自動車に乗り込み、コースアウトして衝突、大きな事故となったケースだ。車種が何であったかは確認できなかったが、2シーターのコペンやS660、あるいは軽トラでないことは確かで、物理的に8人が乗り込める空間スペースを有する車両ということで間違いないだろう。

 さて、クルマには走る、曲がる、止まるという基本の運動3要素があるわけだが、これと車両重量の関係について着目したい。8人が乗車できたということだから、ミニバンタイプを想定してよいと思うが、各メーカーの当該車両のデータに目をやると、700kg台中盤から900kg近い空車重量となっている。この数字を元に、乱暴だが冷却水とオイル、ガソリンを満タンの状態にして850kgの車両重量だったとしよう。

 定員は4名。データは少し前のものとなるが、厚労省発表の平成30年の統計データによると18〜20歳男子の平均体重は62〜63kgとなる。1人62.5kgとして4人で250kg。これに車両重量の850kgを足すと1100kgとなる。一方、8人乗車では1350kgとなり、定員乗車よりじつに19%の重量増となる。

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